女の子に生えた話

シイカ

女の子に生えた話

身体に違和感を覚えたのはすぐだった。

最初は生理が始まったのかと思ったが、それとは違う違和感だ。

寝ぼけながら下着を触ると柔らかいものがあり、それが自分の身体の一部だと気づくのに時間はいらなかった。

「!?」

慌てて下着ごとズボンを脱いで見るとポロンと下に垂れたモノがあった。

「お、ちん?」

坂本リオンは恐る恐る触ってみると感じたことのない刺激で身体が震えた。

「んん……」

恐怖より好奇心が勝り、気がつくと上下に擦りはじめていた。

「はあ……はあ……」

次第にそれは徐々に硬さを増していき、完全なものになった。

「やばい、夢にまで見た……手コキ……」

いつも、クリトリスを男性器だと思い込んでしていたけど、これは違うんだ!

「あ、やっぱりクリと違う……! 男性器に憧れを持ち過ぎてクリ肥大グッズとかで大きくしてしごこうと思ってたけど本当に生えてる! ペニバンじゃない!」 喜びのあまりすべて話つつ、擦る手は一度もやめなかった。ああ。まだ生まれたばかりの私のかわいい男性器。こんなにもキレイな色をしている。

まだ、皮を被ってるのね。でも、この大きさからいって小6くらいのサイズくらいだろうか。

そう思ったとき、下半身から波が来た。

「あ、ああで、出る……!」

急いでティッシュを取り、股間に精子を放出した。

初めて見る精子とにおいは嗅いだことが無く何が正解かわからなかった。

「これが、精液?」

しかし、そんなことはあとから考えれば良いことだ。まずは、シャワーで洗い流しつつ観察してみよう。一人暮らし大学生の強みである。部屋でどんな格好したり、どんな卑猥なことをしても、もちろん限度はあるが、して良いのだから。

今日は1日男性器を観察しよう。

私はこのとき忘れていた。

親友で片思い中の女「陸海≪りくかい≫ ソラ」が来ることを。

シャワーを浴びているとチャイムが鳴った。

(あ、ソラが来る日だったかー)

私は肩にタオルをかけ、バスルームから部屋に入った。

「ソラー来るの早すぎだろーまだ7時……」

ソラはリオンの股間を見て固まっていた。

「ああああああ!」

リオンはタオルで股間を隠した。

なんだこのラッキースケベ。

「ええとリオンは男だったの!?」

「違うんだ! 朝生えてたの!」

私はあわてて手頃な短パンとTシャツで全てを隠した。

「ええと……つまり、朝生えてたと?」

「それ以外に言いようがない」

「へぇーはぁーふぅーん」

 ソラは私の顔と股間部分を交互に見て、ニヤついていた。

「何考えてるの?」

「いや、見たいと思って」

「え、やだ」

「いやほら、医者に行く前に確認してあげるから」

「女性器だって見せた事ないのになんで男性器は見せなきゃいけないの!」

「女性器はほら、私にも付いてるから!」

「じゃあ、せーので見せよ!」

「いやだ」

「じゃあ私も男性器出さない」

「リオンだけ楽しんでズルい」

「た、楽しんでないし!」

「ビンビンにして抜いてるんでしょ! 私には出来ないもん」

「ソラはクリで我慢しな」

「えい」

ソラは短パンの股間部分を掴んできた。

「ちょ、ちょっと!」

「確かに女にはない感触がある」

「ぷにぷにしてるよね」

「勃たないの?」

「さっき出したからなっていつまで揉んでるんだ」

「勃つまで」

「だ、だから勃たないって」

ソラはリオンを押し倒し無理やり短パンを脱がした。

「ちょっと!」

ソラはリオンの両足を広げ最も恥ずかしいポーズを取らされた。

「こうなってるんだー」

「や、やめて……」

ぷらぷらと男性器が揺れているのが自分でもわかる。そして、それを見てニヤついてるソラの顔も。

「女にも性欲ってあるじゃない?」

ソラは私の男性器を軽くつついた。

「ずっと見たかったんだよね? おちんちん」

ついに、控えめに男性器と言っていたものが『おちんちん』と言い方が変わった。

「うぅ……」

何もできない自分が恥ずかしい。いや、手で隠そうと思えば隠せるし、ソラから逃げるだって難しくない。私はこの状況に興奮してるんだ。

ソラは気付いていないけど私のもうひとつの性器は男性器に隠れて健在なのだ。

そこから愛蜜が垂れているのは自分でもどうかしてると思ってる。

「ねえ。リオン。私が気付いていないと思った?」

ソラは私の女性器を撫で愛蜜をすくった。

「ん……!」

「なれてないおちんちんより、こっちの方が反応早いみたいね」

ソラは私の愛蜜のついた手で小さな男性器を撫で回した。

「あ、いや!」

小さな性器に芯が入ったように硬くなっていく。

「これが勃起なんだー」

ソラは言いながら動かす手をやめない。

「う、止め、止めて」

「何を?」

「その動かすの……」

「主語がないよー」

「おちんちん擦るのやめて……」

「はい。やめたー」

私はあわてて短パンを股間の上にあてがったが、ソラの完全な罠だった。

「ねえ? おちんちん苦しくない?」

「うぐっ……」

寸止め状態になってしまい勃起はおさまらず今すぐ出したいと股間が暴れているイメージだ。

「はぁ……はぁ……」

「ねぇ、自分でしてみてよ」

「な、何を?」

ソラは右手の親指と人差し指で輪を作り、上下に擦るジェスチャーをした。

ピクピク震える私のおちんちんはソラのジェスチャーを見ただけで感じるほど敏感になっていた。

「あっうっっっ……」

「触ってもいないのにそんなに先から垂れちゃうほど汁出ちゃうんだ」

ソラは耳元で最後のスイッチを入れた。

「見せてよ。貴女のオナニー……」

私は耐えきれずに擦り始めた。

ソラに言われようと言われまいと始めていたであろう。ソラの顔を見たくなくて、自分の顔を見られるのがいやで、目の前のおちんちんにだけ集中した。

「んっ! はぁっ……はぅ」

ソラは私の後ろに周り肩を抱き締めた。

「そっソラ?」

「かわいい。もっと見せて」

言われるがままに上下に擦った。だんだん気持ちいい箇所がわかってきた。

 自分でも顔が赤いのがわかる。

「……はぁ……はぁ……」

声が全て息に変わっていく。

ソラは退屈していないだろうか。

「いいよ……すごくいい……」

ソラも自分の性器をいじっていたのだ。

「目の前にそんな、おちんちんあったら濡れちゃうに決まってるじゃない……」

「ねえ、ソラ。私、どうしたら良いかな……?」

 二人は自然に向かい合い、ソラは私の肩を抱き、足を広げておちんちんに当たるか当たらないかのところで性器をくっつけている。

「ソラ……」

「まって……私も怖いの……初めてだから……」

「それなら……こんなことやめようよ……」

「リオン以外に処女を上げたくないの……」

「ソラ……」

 ソラはのソコはゆっくりとリオンをくわえ込んでいく。

 お互い向かい合った状態で、お互いの性器がひとつになった状態で。

「不思議。本当ならこんなことできないのにね」

「は、はは。夢なのかな」

「そんなのイヤ」

 ソラは涙を浮かべて私の肩を強くつかんだ。

「ソラ?」

「私、ずっとリオンが、男の子だったら良いと思ってた。でも、男の子だったらリオンを好きになっていなかったと思うの。女の子のリオンが好きで、でも、こういうひとつのなり方をしたかったの」

「ソラ! 私もだよ! 私もソラが好きだよ! こんなものきっかけでしかない! こんなもの無くても貴女を抱きたいの!」

「リオン……キスして……」

 ソラは小さく笑いながら言った。

「え?」

「だって順番が逆じゃない? 普通」

「はは。そうだね。逆、だよね」

 ふたりはゆっくりとキスをした。

 リオンはゆっくりとソラを押し倒した。

「リオンのおちんちん、さっきは子どもみたいだったのもう大人みたいに大きい」

「なんでだろう……ね」

 リオンはソラの右手首にキスをし、左の乳首をつまみ、胸からへそにかけてなぞるように舐めた。

「ねぇ。そういうのどこで覚えたの?」

「…………動画」

 ソラはどういう感情かリオンの頭を犬でも撫でるかのように髪を触った。

 リオンが愛撫しているときも、硬くなった性器はソラの太ももや腰に当たったりした。

 ソラはリオンの性器を握った。

「ん?」

「……ほしい」

 リオンは小さく微笑み。

 ソラの入り口をゆっくり入りやすくほぐした。

 ソラは鳥肌を立てながら肩で息をしている。

挿入れるよ?」

「うん……」   

 リオンは通常だったら一生経験できないであろうことをしている。

「……ソラのなかあたたかい……」

「リオンのおちんちん大きくて硬い……」

「痛い?」

「我慢できない痛さじゃない。たくさん濡れたからかな?」

 ソラは笑いながらリオンの顔に手を触れた。

「ごめん。アパート小さいからあんまり動けなくて」

「このままが良い。ひとつになってリオンの顔ずっと見てたい」 

「身体冷えちゃうよ」

「このまま抱きしめ合えばいい」

「私はセックスがしたかったじゃないの。リオンと一緒にいたいだけなの」

「私はしたいかな。たまにだけど」

「リオンはエッチだもんね」

「うぅ……己の性欲が憎い」

「でも、これずっとあるわけじゃないんだよね」

「どうなんだろうね」

「これじゃ、温泉に入れないよ」

「もういっそのこと男になることも」

「それはだめ」

「だめかな?」

「女のリオンが好きだから。今は半端な感じだけど、リオンの一部だと思えば平気だし、むしろ愛おしいよ」

「ソラ……」

「リオンのまた大きくなった」

「ごめん」

「ねえ。そろそろ出したいんじゃない?」

「うん……」

「一回、その抜いて」

 リオンはゆっくりと抜いた。そのとき、ソラはわずかに声を漏らした。

 わずかにソラのソコから血が垂れていた。

 処女をもらった証を目にして泣いた。

「リオン。次会ったらホテルで思いっきりしよう。たくさん動いて、たくさん恥ずかしい声出して」

「うん」

 リオンはソラが見てる前で性器を扱いた。 

 最初にした興味本位ではない、ソラに見てもらうために。

 自分の思いをぶつけるかのように。

 リオンのソラに対する気持ちに比例して性器は硬さを増してくる。

 もうすぐだ。

「ソラ。出すよ……」

「うん」

「んっ……」

 リオンはソラのお腹に精を出した。

 それは川のように伝って、ソラのへそに入っていた。

「あはは。精子出したね」

 ソラは笑いながらお腹についた精子を指につけて舐めた。

「変な味」

「舐めないでよ」

「小説とかだと甘いとか書いてない?」

「どんな小説読んでんのよ」

 リオンはソラを起こすと一緒にシャワールームに入った。

 もちろんアパートだから狭い

「狭いー」

「一人暮らしならこれで充分なの」

「ねえ。また当たってるよ。今度はぷにぷにだけど」

「しょうがないでしょ。近いんだから」  

「ねえ。私たちって親友?」

「親友……の先は行ったんじゃないかな」

 ソラはシャワーを止めて、リオンに抱き着いた。

「何? また私のおちんちん見たいの?」

「アダムとイブ」

「別にリンゴを食べて生えたわけじゃないよ」

「うんうん。恋人だと安いからアダムとイブの関係にしない?」

「私、そういうの詳しくないんだけど」

「私たちはアダムとイブ……ふふ……」

「まあ。それでいいよ。イブ」

「素敵でしょ? アダム」


こうして私たちは二人の間だけの『アダムとイブ』になった。                 

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