4 片桐文香1
俺と片桐さんは成瀬も交えながら、盛り上がって話していた。
もともと陰キャだった俺が、こんなふうに初対面の女性と会話が弾むなんて、ちょっと驚きだった。
まあ、成瀬がフォローしてくれているのもあるし、何よりも片桐さんが話が途切れないように上手く会話を運んでくれているのもある。
「じゃあ、今度の週末にでも遊びに行く?」
「はい、ぜひ」
という感じで、とんとん拍子にデートが決まった。
あっけないほど簡単に決まったので、俺は拍子抜けすらしていた。
「決まりね。楽しみ」
「僕もです」
俺はにっこり笑った。
セフレを作るやり方なんて、当然分からない。
相手によっても違うんだろう。
彼女の場合は、とりあえず恋人同士っぽくデートして、ある程度気があったら、そのまま行為に及ぶ……って感じなんだろうか?
考えてみれば、女性とデートするのって生まれて初めてだ。
……想像するとちょっと緊張するな。
まさか、人生初デートの相手がセフレ候補とは。
「ん、どうかしたの、東雲くん?」
片桐さんが首をかしげる。
「いえ、なんでも――」
そのとき、片桐さんがハッとした顔でスマホを取り出した。
一瞬……妙に険しい表情になる。
どうかしたんだろうか?
「あ、ごめんなさい。私、急用ができたの」
片桐さんが立ち上がった。
「本当にごめんね。また週末に」
「あ、はい」
随分と急だな、と思いつつも、うなずく俺。
……もしかしたら、他のセフレとこれからデートだったりするんだろうか?
まあ、俺は別にいいんだけど。
相手が何人と付き合おうと、エッチさせてくれるならそれで……。
「もしかして、ヤキモチ? ねえ、ヤキモチ?」
ふいに片桐さんが嬉しそうな顔をした。
「いえ、全然」
「あ、いいわね。そういう態度、クールで好きよ」
片桐さんが微笑んだ。
「週末、楽しみにしてるね。それじゃ」
「はい。また」
俺は片桐さんに手を振った。
「……随分と気が合うみたいね」
隣で成瀬がつぶやいた。
そういえば、彼女がいたことを忘れていた。
「どうせ、あたしなんて忘れてたでしょ」
「ああ、完全に意識から外れてた」
「あ、ひどーい」
「事実だし」
「もう……けど、東雲くんのそういうとこ、割と好き」
成瀬がぽつりと言った。
「ふーん」
今さらこいつが俺を好きになるわけがない。
当然、ご機嫌取りだろう。
***
〇『武術の神』と呼ばれたじいさん若返る。10歳の美少年になって無双&ハーレムの二周目人生を堪能します。
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