幕間 一人或いは、一つ
私は葛藤していた。彼女に寄せる思いは、本当に彼女に対しての物だろうか。
第一に私達は、壊れてはいけないのだ。故に、思いを寄せてはいけないのだ、なのに、ナノニ。
意識して、彼女と距離を取りたかった、だから計画を速めて、あいつに私を遠ざけさせたかったのに、あ
いつは流石と言うべきか、あいつだからと言うべきか、私を逃がしてはくれなかった。
「苦手なのか?」
「そんな事は無いです…」
「お前がそのしゃべり方をするという事は真剣なんだな。」
「当たり前です…私は…」
「いいさ、あいつは気にしないだろうな、お前が付いて行きたいなら、私はそうなっても良い。」
「そんな事したら…」
「お前の心配は正しいだろうな、だがどうする?本当にそれで良いのか?らしくも無い…いや、お前達らしい後悔をするなんて事は無いのか?」
「じゃあ…どうしろって言うんです!私は、壊れて、またあなたに迷惑をかけるのは…嫌なんです…」
「私はな…あの時はああ言ったが、お前達が壊れたら、何度でも直してやるつもりだ、H型は別として、C型は直される事を望まなかった、お前達は全員が直されて、今壊れているやつらは二度目だと思っているかもしれないがな。」
「なぜC型姉様はそれをおっしゃらなかったのです?姉様は大の嘘嫌いなのに。」
「よく規則は破るし真面目に仕事をこなさなくなったのにはな…」
「言って下さい。」
「すまん、忘れろ、とにかくだ、お前のやりたいようにやってみろ、お前を作り出しだした私に出来る事はそう無いし、もう少しだけお前達を働かせなければいけない、少なくとも、今のお前の提案は、お前の後悔に繋がるぞ。」
私は葛藤していた。機械として自らの使命を守るのか、心を持つ存在として愛を再び認めるのか。
私は、私…は…。
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