現役高校生が戦時中にタイムスリップして大暴れした話

クウドタモン

第0話 はじまり

20XX年8月某日ーーーーー


気温42℃。太陽の日差しがアスファルトに照りつけ着ているシャツが汗で身体にまとわりつく。


「あちー」


部活終わりもあってか、暑さが余計に堪える。


小型の扇風機で涼むなか(ほとんど熱風)背後から俺を呼ぶ声が聞こえた。


「あれ、空じゃん。おっつー」


振り返ると、弓袋を背負っている陸の姿があった。

(俺、なぎなた部。陸、弓道部)



「珍しいこんな時間に鉢合わせるとか、なんかあった?」


「この暑さで、やってらないよ」ため息をつく。


「なぁなぁ、裏山の神社いってみない?」


「あー、前言ってたパワースポット?女子みたいだね笑」

人を小馬鹿にしよって


「まあまあ、いいじゃないか笑笑」


なんやかんやで、一緒にいってくれた。


----裏山の神社にて


「古そうな神社だなぁ」今にも壊れそうな小さな神社がそびえたつ。近くには神社よりも大きな御神木が植えられている。


「空、もうすぐ日が落ちる。急ごう」


いつも時間なんか気にしないくせに、今日はなんだか落ち着かない。


「はぁ?いつもそんなこと言わないくせにどうしたん?」



「・・・ものすごく、嫌な予感がする」


陸が嫌な予感というと意外と当たるもので(8割当たっている)言うことを聞くことにした。


鳥居をくぐると突然林全体に突風が吹き荒れる。


「陸、なんかやべーぞ!台風みたいだな!」


「それだったら、雨も降るはず・・とにかく急ごう」


俺たちは無我夢中で下った。林はまだ続く。


ーーーーーバンっ


遠くのほうで銃声のようなものが聞こえた。


「陸、今銃声きこえなかったか?」


「確かに聞こえた。・・・・・!?」


耳を澄ましたら、俺たち以外の足音も聞こえる。


俺たちは顔を合わせ、道の両端に身を隠した。

静かに静かに息を潜める。


陸は弓袋から弓を取り出し、すぐに弓を使える状態に。俺もなぎなたを袋から取り出した。


足音がどんどん近づいてくる。すると、ちらほら人影も見えてきた。


(なんだあれ・・・)俺は茫然とした。軍服を着た男たちが駆け足で目の前を駆け抜けていった。


足音がなくなったのを見計らって、陸のところに駆け寄った。


「なぁ!あれ、映画の撮影かな?」俺はワクワクした。


「監督みたいな人いなかったけど。」


「そういわれてみれば。まあ、とにかく、あとついていこうぜ!」


再び走る。なんだか磯の香りがしてきた。この辺海なんかないはずなのに。


「林抜けるぞ」まばゆい光で一瞬視界を奪われた。


「なあ・・・ウソだろ」俺たちが見た景色。それは地獄そのものだった。


頭から血を流して倒れている人。何十発と銃弾を受けている人。腕やら足が取れて倒れている人。首を切られ、ドバドバと血が流れている人。まさに地獄絵図。

足元をみてゾッとした。足の踏み場がないぐらい数の死体が転がっている。

あたりは血の生臭い匂いで充満していた。


俺は耐えきれず吐いてしまった。とにかく気持ち悪い。陸は物怖じしない顔であたりを見回してる。(陸はグロゲー大好き。完全にグロ耐性が付いている模様)


このままじゃ、俺たちも殺されると判断。戦闘態勢に入った。(このとき、逃げればよかったものの冷静な判断ができる状態ではなかった。)


俺たちの戦いが幕を開けた。

























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