第十二話 英雄ハウネリウス

 まただ、僕はまた戦場にいる、

 敵将の首を持って上に掲げている、周りには仲間が喝采をくれる、ファルシオン型の大剣を上に掲げて!大声で吠える!体中返り血で染まっており、生臭い匂いがする、


 別の風景になった、敵を縦横無尽に切り裂き、どんどん的の壁を突破して行く、笑っている、この人は、笑っている、


 別の風景になった、剣を少年に教えている、すごく筋がいい、だがこの人とは違って綺麗な型だ、まるで全てを守り切る剣だ、


 別の風景になった、彼は倒れている、腹に大剣が刺さっている、もう死にそうだ、、









 ゆっくり目が覚めた、ベットの上にいる、


 自分がガイアに、蹴り飛ばされまくった傷は全て完治していた、


 あざまで全て綺麗に消えている、


「ふっ最後の気遣いってやつか、」


 カリアは微笑する、その目には感情がない、


「学園に行くか、」


 カリアはそろそろ時間だ思い、学園に行く支度をする、使用人たちの視線を受けながら馬車に乗る、


 窓から見る景色はとても綺麗だ、

 緑が舞い散り、

 自分の心を豊かにしてくれる、


「戦場か、、、」


カリアは、夢で見た世界を思い出していた、あの景色がなんなのかはわからない、まるで何かの記憶のようだった、しかし何も検討はつかない、



教室に入ると、クラスの生徒が一斉にこっちに目を向けてくる。


こちらを嘲笑うような視線を感じるが全て無視した。


歓迎会での出来事は、ここにいる生徒ほとんどが見ていたはずだ、


「ふっ、好きなだけ笑うがいいさ」


僕は、その視線を一蹴し、自分の席に座る、


「リアは、、、まだ来てないか、」


クラスを見渡すが、リアの姿はない。

カリアは少し寂しくなった。このクラスで自分に話しかけてくれるのはリアぐらいだ、何かあったのではないかと心配になる。


まさか、あの一件で不敬罪にでも問われたか!?いやあの王子のプライドがそれを許さないだろう、


カリアはリアが来ないことに少し心配になりながら、リアが来るのを待った。


だが結局リアは、授業が始まっても来なかった。


「何かあった訳じゃないよな…?」


今すぐ王子に問いかけたかった、だが先日問題を起こしたばかりなため、そのようなことはできない。学園側からあの一件でのお咎めはないのは、僕たちの父が代わりに咎めたことになってるからだ。次問題を起こせば、容赦なく退学やら停学やらさせられるだろう、そんなのはごめんだ。


俺は、王子に問いかけたい気持ちをグッと堪えて、今日の授業に臨む。



今日の授業は、リアがいないことの心配もあってか、あまり集中できなかった、数学、魔術、文学、錬金術、どれを聞いても頭に入ってこない、だが、一つだけ気になることがあった、それは世界史の授業での話だ。


「今日は、我が国の英雄、ハウネリウスについて学んでいくぞ!」


英雄ハウネリウス、この国にいる物なら誰もが聞いたことあるだろう、およそ何百年前だろうか、この国は、周辺の蛮族に襲われ窮地に陥っていたという、そんな中ハウネリウスは、果敢に相手の軍隊の中に飛び込み、敵将を討ち取ったり、民衆の命を守りながら、敵軍を追い払ったり、


とんでもない逸話がたくさんある。


また王国流聖剣術の開祖とも言われ、その剣術が今でも受け継がれ、どの守護の強靭さは、この世界でも有数な物だ、


そんな伝説的な人の話に何を感じたかというと、別にそういうことではない、俺が目をつけたのは、魔道教科書にあった、一つの絵だ、この絵は、ハウネリウスが敵将の首を討ち取った後、その首を掲げ、仲間と共に喜び合う姿が描かれている、


この絵を見た時、僕は夢の光景を思い出した、


「まるで…あの夢のようだな、、」


血濡れた戦場、燃え上がる戦火、ハウネリウスが掲げる、スパタ型の大剣、


「全てを守る剣か、、夢の剣術とは大違いだな。」


俺は静かに、そう一人で呟いた、













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る