第五章

大河健太おおかわけんた

 第五章冒頭にして、殺害された人物。福島県内の片田舎で精密機械の工場を営んでいる。人格者であり、従業員達からとても慕われている。若者が流出し過疎化が進行する村を憂いており、活性化させるため、また社会貢献・国際貢献の一つとして、外国人の積極的な雇用をするように。

 彼の死因は高所からの転落死であるが、殺害現場には高低差のあるものが存在せず、ありえない死因であった。そのため異犯対の明善が現場に呼ばれ、捜査に参加することとなる。



・宮地

 大河が経営する工場の副社長。メガネをかけた痩身の男であり、気弱そうな印象を受ける。大河殺害事件の解決のため、積極的に警察に極力するが、その一方で何かを隠している節がある。

 時折誰かと連絡をしており、宮地はその人物を先生と呼び尊敬しているような言動をしていた。五章終盤において、宮地は警察の捜査の着実に進んでいることに焦り、その先生に助言を仰ぐ。警察の捜査を撹乱する方法があると先生に言われて喜ぶが、それは宮地の死であると告げられる。命乞いをするも、先生が差し向けたフード姿の男に殺害された。奇しくも、大河と同じ死因で死亡する。



郁恵いくえ

 村で染め物を営む女性。海外留学の経験があり、英語が話せる。そのため、工場の外国人とは仲が良かった模様。

 息子と娘がいるが家業を継ぐつもりがなく、自分の代で伝統が消滅することを危惧していた。

 そんな時、ミロと偶然出会い、彼が異世界人であることを知る。ミロは染め物に興味があり、そんなミロに自分の技術を教えるようになる。

 ある時、工場を抜け出してきたミロを自宅で匿うようになり、その後大河にミロを渡してもらうように直談判する。その際、取っ組み合いとなり、大河を転倒させてしまう。石に頭部をぶつけ気絶した大河を死亡したと勘違いし、その場を逃亡。その後、大河が倒れている場所を訪れるが遺体がなく、てっきりミロが自分を庇って遺体を移動させたと勘違いする。


ミロ・エーリ

 エアリア出身の異世界人。

 家業の紡績業を営んでいたが、刺激のないありきたりな生活に退屈していた。そんな時、異世界への出稼ぎを斡旋する業者に声をかけられる。新たな刺激を求め、業者の提案に乗るが、それは詐欺だった。手数料を騙された上に、日本に置き去りにされる。ゲートの先には複数の日本人がおり、ミロ達はこの日本人達に人身売買で売られた模様。日本人達は違法な労働者の斡旋業者であり、ミロ達異世界人達に労働を強制させる。ミロは過酷な労働を強いられ、現場を転々とする。そして、大河の工場に流れ着いた。大河は今までの経営者とは違い、ミロ達を人間扱いし、手厚い労働環境を提供してくれた。

 心身ともに余裕が生まれたミロは故郷が恋しくなり、それを紛らわせるために、異能で度々山の中を飛び破るように。その姿を郁恵に目撃され、以降交流を持つようになる。

 

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