【五章開幕】天を征すは我が死のために 旧題 こちら希望の世界(株)、正義の味方課です ~転生チート?欲しけりゃ修行しろ~
夜霧
第一章 転生、その前にやるべき事があるだろう?
プロローグ とある男の転生後の日常
俺の名はユウキ。
姓は転生した時に捨てた、名乗るのも面倒だったし未練も全くもって無い。
諸事情により、俺は現実世界から退場……地球という世界から居なくなった……つまり死んだ。
そしてこの世界に来た。
死後、生前に徳を積んだ者は天国、悪行を重ねたものは地獄へ行くと言う。
この世界の支配者はこう言った。
『転生先で敵を倒し、神に成果を認められれば天国へと至れる』と
上等だ。
俺はまず死後の世界で力を付けた、ここで得た力は転生先でも使えると聞いて必死で鍛えた。
その後、転生した。
記憶を糧に天国へと至るために色々と準備を重ね、ついに敵を倒した。
そしてそれから幾年、現在に戻る。
俺はというと……
「いやぁ、やっぱここのメシは美味いなぁ……」
天国での生活を満喫していた。
「毎食毎食オムライスとたらこスパゲティなんて……飽きないの?ユウキさん」
そう問いかけてくるのはここの女性店員さん、俺は常連…というかここで毎食食べていくので家も同然。
彼女もほぼ毎日勤務しているためお互い見慣れた顔だ。
「良いんだよ、俺はなんてったってここの大本の会社の大株主の一人。優待権限でここのメシはいくら食べても無料なんだからな」
「色々あるのに他は食べないの?って聞いてるんだよ」
「俺は好きなものしか食わん。そしてこの二品が俺の大好物だ!」
「はぁ……勿体無くない?その優待権限」
「俺はなんてことないごく普通の日常をいつまでも続けられれば満足なんだよ」
俺の戦いの日々は既に終わった、あとは仲の良い友人と食事と睡眠、自由に使える金があれば十分だ。
長めの黒髪が生えたボサボサの頭をかきむしりながら迷惑にならない程度で帰る、そして惰眠を貪ろう。
と思っていたのだが……
「全会一致により、ユウキ殿、貴殿を我が社の『正義の味方課』教員として任命する、これは総会の意思である」
どうしてこうなった……
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