喫茶ウミガメのスープへようこそ
井之頭豚子
第1話あなたの腕前試させていただきます。
とある辺境にある一軒の喫茶店『ウミガメのスープ』
ここではいつも水平思考クイズ『ウミガメのスープ』が行われています。
おや?今日も一人の少年がやってきたようです。
「...いらっしゃい。」
「高校二年生一人。コーヒーお願いします。」
「ええ。」
マスターは慣れた手つきで香ばしい香りが漂うとっておきのコーヒーを煎れます。
「ミルクお付けしますか?」
「お願いします。」
「かしこまりました。」
「はい。それではうち自慢のコーヒーと、『ウミガメのスープ』をどうぞ。」
「え?」
「なーに、ただのクイズですよ。それでは問題です。問題文の後にルールの説明もします。」
※ここからは皆さんも考えてみてください。
Q.ある男性が、海の見えるレストランでウミガメの入ったスープ、すなわちウミガメスープを注文し、食べました。会計を済ませ、男性は家に帰った後自殺しました。なぜでしょうか
「ルールは簡単です。あなたがこの問題について質問するのです。私はそれにYESかNOで答えます。関係がないときは関係ないと答えます。答えがわかればその場で答えてください。それではどうぞ。」
「え...じゃあそのスープに毒が盛られていましたか?」
「NO」
「...そしたらそのスープに入っていたのは本当にウミガメですか?」
「YES」
「うーん...自殺するなら何か闇を抱えてそうだし...あ!じゃあその男性は心に何らかの闇を抱えていますか?」
「YES」
「それは最近の話ですか?」
「YES/NO」
「え?どういう意味?」
「YESでもありNOでもあるということです。」
「つまり最近でもないし昔でもない。一か月程度といったところか。じゃあその男性に家族はいますか?」
「NO」
「なるほど...自殺した理由は友人のせいですか?」
「YES/NO」
「ということは...男性に恋人や愛する人はいましたか?」
「YES」
「よし、だったらこれでどうだ。その男性が自殺した原因は恋人ですか?」
「YES」
「それには友達も関係していますか?」
「YES」
「よし!でもそれとウミガメのスープに何の関係があるのだろう...その男性は過去にもウミガメのスープを食べていますか?」
「YES」
「そのスープにウミガメは入っていましたか?」
「NO」
「よっしゃ、確定だ。回答を言います。」
「どうぞ」
「ある時友達にウミガメのスープを食べさせてもらったがそのスープには恋人の肉が入っていてそれで...ってなにもつながらない。すみません、やっぱなしで。」
「はい。質問を続けますか?」
「はい。では...恋人と男性は別れていますか?」
「NO」
「恋人と男性は死別ですか?」
「YES」
「恋人は友達に殺されましたか?」
「YES」
「どうしても殺さないといけない状況でしたか?」
「YES」
「よし、有罪(ギルティ)。男性と友達と恋人と一緒になっていた時がありましたか?」
「YES」
「友達は恋人に恋愛感情を抱いていましたか?」
「関係ない」
「そうか...じゃあ友達は恋人を恨んでいましたか?」
「NO」
「え?じゃあもうわからんのやけども。」
「ヒントorアンサー?」
「ヒントをください。」
「わかりました。男性たちは整備ができていない飛行機で三人で旅行に行っていました。」
「ん?ん?わかったかもしれない。回答します。」
「それではどうぞ。」
「三人は無人島に漂流して食べるものがなかったが、友達が恋人を殺してその肉でスープを作り、男性にウミガメのスープだと言って渡して食べさせました。そして無事に助かりましたが恋人だけは見つからずに終わっていました。そして海が見えるレストランでウミガメのスープを注文し、食べた後に無人島で食べたものとは違う味がしたので確信し、自分が恋人を食べたのだと知った。でどうでしょう?」
「finalanswer?」
「finalanswer。」
「正解...です。」
「ほんとですか?」
「はい。ばっちりあっています。」
「やった。ほかにこういうクイズはありませんか?」
「はい、ありますよ。当店はそれを目的としたカフェなので。」
これは、ある少年と不思議なカフェの出会いが生む本格推理小説
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