人気女優が転生したら中の上の男だった!

朝香るか

第1話 女性の時代

 幼稚園位の頃から

 それなり人可愛いといわれてきた。

 

 友達にもかわいい人が多い。

 早乙女綾香さおとめ あやか


 16歳から少しずつ芸能活動を行い、

 今、18歳の終わり。モデルや女優として活動している。

 

 だいぶ、TVや雑誌への露出が増えてきて、

 有名になってきたと感じる出来事が増えてきた。

 

 サインを求められたり、写真を撮られたり。

 撮影の現場で、あいさつしてみる。


「今日もよろしくお願いします」


 数時間後、

 スタッフさんに促されて、仕事が終わりとなる。

「コレで今日はあがりとなります。

 お疲れ様でした」


「はい。またよろしくお願いします。

 今度差し入れ持ってきますね」


 可憐であり、気配りもでき、演技力にも定評があった彼女。


 サクラが散るころに、車の事故で帰らぬ人になった。


 ☆☆


「わたし、死んだの?」


 沢山の悲しむ記事の数々。


 友人からの追悼の言葉。

 SNSで「信じられない」との書き込みの数々。


 守護霊らしき女性が顔に手を当てて、困ったようにしている。

『残念だわ』

 天使とか守護霊とか本当にいるんだって思った。


『警告したんだけど、間に合わなかったわ』

『もう少し生きられるはずだったんだよ』

『もっと楽しめるような人生だったのに』


 三途の川とか天国って本当にあるんだ。

 三途の川にも濁流の場所と船でわたれる場所、

 橋が架かっていて歩いて楽に渡れる場所も色々あった。


 ふわふわして暖かくって、心地いい。


 守護霊様とフワフワ浮いていた天使様とはここでお別れのようだ。


『今までありがとう』

『こちらこそ。うまく導けなくてごめんなさいね』

『次の転生ではうまく自分のしたいことをしてね』

 幸せってこうなんだろうな。

 ずーーとこうして、まどろんでホカホカしていたいな。

 今まで、ずっと人の視線を気にして生きてきたから。


 でもまだ、やりたいことあったのにな。


「もう一度、生まれに行くかい?」

「いきたぁい!!」

 小さく丸くなって魂本来の姿になる。


 いくつか質問された後、お母さんと性別を決めるらしい。


「今度は男の人になる! 少しくらいの事故なら生き残れる可能性あるかなぁ」


 神様らしき人は答えてくれた。


「あるかもしれぬし、ないかもしれぬ」

「行っておいで」

「はーーい」


 私はワクワクしながら、次の母親を決めたのだ。

 今度は寿命を全うできるように。





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