バトルオブカオス

松田勝平

第1話 銀騎士ヘイロンvs銀行強盗ドライフラ

 闇だ。

 闇。


 暗闇に何があるか、お前はわかるか?


 凪いでいる。

 闇は、海のように。

 故に。

 闇から生まれれば、闇に帰るのが道理。


 ───戦いを。


1.死界-霊廟


 ここは死界。

 死んだものが来るところ。

 はらわたが落ちるところ。


 そして、殺し合うところ。


「…だれかいるのか?」


 銀騎士ヘイロン。

 高名な貴族の家で生まれた、軍の司令官。

 生まれた国が滅ぼされた際に、彼も死んだ。


「お前を殺しに来た。」


 銀行強盗ドライフラ。

 遥か未来の世界で生まれた、戦争孤児。

 当時のセキュリティを突破した銀行強盗の後、仲間とトラブルがあって殺された。


 今、2人が対決する。


 ドライフラが仕掛けた。

 腰にある光線銃をヘイロンへ向ける。

 光線銃とは、熱線を放射することで敵を殺害することを目的とした兵器。

 撃たれたらひとたまりもない。


 ヘイロンは盾に身体を隠して突撃する。


「へっ、馬鹿め。」


 熱線が放射された。

 盾ごと、頭部を貫いた。

 銀騎士は倒れ込む。

 ドライフラは彼に近づいた。


「さーて、今日の魂はどんなもんかな───っ!?」


 ヘイロンの掴んでいた剣が、ドライフラの首を絶った。

 ヘイロンは盾で顔を隠した上で、熱線が放たれた瞬間だけ頭を鎧の中に入れていたのだ。

 死んだふりにて、ドライフラを騙し切った。

 死亡したドライフラは、その身を一枚のコインへと変えた。


「…これが、君の魂か。」

「【リリース】。」


 ヘイロンはコインを天へ掲げる。

 そして、ヘイロンは光に包まれた。


「…私は、煉獄にでも堕ちたというのか。神よ。」


 そういったヘイロンの腰には、ドライフラの光線銃がつけられていた。



 闇が、絶えることはない。


 

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