第6話 青の森のダンジョンへ①~有能なサポート付き~
青の森のダンジョンへと1人でやってきた。
青の森のダンジョンは俺の家から歩いて30分圏内にある場所だ。
ダンジョンは色々な所に出現するが、青の森のダンジョンは元々スーパーのあった場所にダンジョンの【ワープゲート】が出現したダンジョンだ。
俺が産まれるずっと昔はこのダンジョンの【ワープゲート】が家の中にできてそこの家族が出来たばかりのダンジョンに取り込まれたり森の中にワープゲートが出来ていて【スタンピード】が起きたりと大変だったらしい。
今ではワープゲートが一定の場所では出来なくなる技術が確立され、たまに出来るダンジョンのワープゲートも直ぐに発見する為の装置が開発されて昔ほど問題視は日本ではされていない。
それが日本以外の大きな国だと場所が広すぎるので問題視されてるらしいが、俺からしたら外国のこととかあんまり現実味がないからそこまで気にしていなかった。
俺の来ているこのダンジョンは運悪くなのか運が良くなのか、たまたまスーパーを改装工事するためにその一角だけワープゲートの出来ない装置をオフにしてしまったらその瞬間にワープゲートが、できてしまったらしい。
スーパーのオーナーも最初は悲観的だったが、青の森のダンジョンは比較的に安全で物資が取れるため今ではスーパーをやってるよりもこのダンジョンを管理してる方が儲けてるらしいと。愛用している雑誌の記事には書いてあった。
どうゆうことかと言うとダンジョンは国が管理してるダンジョンと個人や会社が管理しているダンジョンがある。
国が管理しているダンジョンは基本無料だが、無料だから人が一杯いてモンスターを倒すのも資源を探すのも一苦労な場合が多い。
個人や会社の場合はお金を払ってダンジョンに潜らせてくれたり、その会社やチームに属さないと入れなかったりと個々によって変わってくる。
青の森のダンジョンは通常一回五時間30000円で入場できるダンジョンだ。
国の運営してる低ランクのダンジョンよりはモンスターも物資も見つけやすいのは確かだがどうなんだろうな。
一回30000円が高いか安いかはそのダンジョンで取れる物資や出現するモンスターによっても変わると思うが、俺はスライム先生に言われるまではこのダンジョンにくる気はなかった。
というのもこの青の森のダンジョンは下調べした段階ではあまり旨味があるダンジョンとは思えなかった。
取れる素材も【ポーション類】の原料や清水がメインなダンジョンで
実際にあまり人気がなく、30000円で入れるのが10000円で、入れる時もある。
安く入れるようにする時はダンジョンの中のモンスターも増えてスタンピートが起こらないようにとのことで冒険者に間引いて貰う為らしいが、その格安期間も最近終わったばかりだった筈だ。
なのでモンスターもあまりいない筈だし素材もそこまで良いものは残ってないはずなんだが、スライム先生を信じてダンジョンへとやってきた。
「頼みますよスライム先生!最低でも30000円はペイできる位は稼ぎたい!!」
そう言うと異空間の中から『任せて!』と伝わってくる。
「まずはコボルト召喚するか?転移!!」
転移の声と同時に目の前には転移の魔方陣が発動されコボルトが一瞬で現れた。
「うぉん!!(がんばります!!)」
「ああ、宜しくな。」
青の森のダンジョンはフィールドが森になっているダンジョンで木々が青い。誇張してる訳じゃなく、本当に葉っぱが青い。絵の具をぬったぐってるんじゃないかというくらい青い。
そんな青い木々の道を進んでいくと青くプルプルと震える物体を二体見つけることができた。
「あれは………ブルースライムだよな?」
目の前の二体のモンスターはこの青の森のダンジョンに1番多く生息する【ブルースライム】だ
「思ったよりも早く見つけたな。」
モンスターを間引いたばかりの筈なので弱いモンスターでも見つけるのは大変だと思ったが直ぐに見つけることができた。
俺の行ったチュートリアルダンジョンに最後に出現したスライムと同じモンスターみたいだがそれよりも小さい。
「コボルトやれるか?」
「うおん!!(任せてください!!)」
「宜しく!あ、スライムの核は傷つけないようにしてくれな!」
俺の声と共に両手の爪を出してスライムに襲いかかるコボルト。
コボルトからスライムまでは距離があったがあっという間に近づき両手の爪を横凪に引き裂いていく。
そのまま何度もコアを傷つけないようにスライムを引き裂いていくコボルトは遊んでるかのように楽しそうだ。
「グアアアア!!(とりゃー!!)」
何度も体をズタズタにされたブルースライムは粉々になり絶命した。
「コボルトつよ!!」
レベルが8もあるからなのかも知れないがコボルトのスピードに驚いてしまう。
ダンジョンに出現するモンスターがあんなに早かったら逃げれる自信がない。
レベルを8にしたおかげなんだと思うがコボルトがいればダンジョン探索も安心だな。
「うおん!!(終わりました!!)」
「おお!良くやったな!次も頼むぞ!!」
俺の元にすぐに戻ってくるコボルト。頭をわしゃわしゃと撫でてやると嬉しそうに尻尾を振っていた。
「ん?倒したスライムの破片を異空間に送ってほしい??」
コボルトの頭を撫でてるとスライム先生から『倒したスライムの破片を全て異空間によこしてほしい。』と言われた。
ブルースライムだとスライムの核くらいしか素材にならず、スライムの破片なんて何に使うんだ??
「ん?楽しみにしてろって?スライム先生がそう言うなら楽しみにしてるよ。」
スライムの破片は異空間に転移して俺は二体のスライムの【ブルースライムの核】を2つ拾い背負っていたリュックにしまう
【ブルースライムの核】はポーションを作成するために必要な素材だった筈だ。確か1個100円とかで売れるんだよな?
無いよりはましだがこの核を集めるだけでもダンジョンのお金をペイするのも300個は必要だ。
無限にスライムが沸いてくるならブルースライムの核を集めるだけでも良いかもしれない。
コボルトがいれば一瞬で倒せるし。
だが無限に沸いてくるなんてあり得ないし、時間制限もある。
そんなんで本当に赤字にならず帰れるのか??
「まだまだ時間はあるけど不安になってきたな………とにかくまずはダンジョンを進むか。」
来てしまったんだからまずは奥に進もう。
そして何度かブルースライムと対峙したが全てコボルトが一瞬で倒し、スライムの破片は異空間へ。スライムの核はリュックにしまいながら進んでいく。
森の中を歩いてるので整備された道はないが何故かスライム先生が次の階層の場所を道案内してくれて迷うこと無く2階へと進むことが出来た。
本当に何でもスライム先生は知ってるな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます