Bloody Heart
真代 庵
第1話 交錯する世界
ブラッディーハート
序章
千九百九十一年一月。湾岸戦争——。
最新兵器を備えた連合国軍の圧倒的な戦力により、湾岸戦争は連合国軍の勝利で終わる……。
そう誰もが思っていた。
その筈だった。
——突如、地獄の門を思わす扉が地上に現れた。
高さ六メートル、横四メートル、冷たい漆黒の分厚いコンクリートで出来た扉だ。
その扉は左右に大きく開くと、血の刃を無数に放った。
扉から現れたのはドラキュラだ。黒い軍服を着たドラキュラが五十人いる。
ドラキュラ達は、嘲笑いながら人間に襲い掛かっていく。
同様の光景が、あちらこちらに起きている。
ドラキュラによる侵略戦争が始まったのだ。
ドラキュラ達は、魔界の国際条約を一方的に破り、侵略を開始し虐殺を始めてしまった。
人間のような容姿だが、明らかに人間ではない。唇は紫や青や銀色、粘膜は青紫色をしている。
人間の三倍以上の速さで身体は動き、戦闘機より速く空を飛び回る。
十倍以上に伸縮する爪から、血の刃を無数に放つ。その爪は、人間を容易く引き裂き、手足や首を切断した。
手の平に現れる剣や槍は、一振で凄まじい威力がある血の刃を放ち、斬撃は戦車も戦闘機をも切り刻む。
三倍に伸縮する犬歯で噛みつき、五倍に伸縮する二股の舌で、人間の血を数秒で吸い尽くす。
機関銃を、どれだけ放射しても、薄い煙を出し即座に治癒してしまう。
最も威力のある銃火器ですら、傷一つ負わせることは出来ない。それどころか、最新のミサイルさえ、手から出したシールドに阻まれた。
——虐殺が繰り広げられる中、指令本部は何が起きたか分からず、混乱していた。
「応答せよっ! 一体何が起きている⁉︎ 応答せよっっ! 何が起きたっっ⁈ 」
本部のテント内で、途切れた通信に声を荒げ続ける。
訳も分からず誰もが困惑する中、通信兵の一メートル前に、突如として短剣が現れた。
ドラキュラが、二キロ先から狙撃した短剣だ。
その場にいた全員が驚愕し、叫ぶと同時に貫かれた。続け様に短剣が現れ、指令本部は皆殺しにされてしまった。
人間に成す術はない。
誰もが恐怖に震え、泣き叫び、逃げ惑い殺される。
千九百九十一年、一月——。
人間は、阿鼻叫喚の地獄を作り上げた、未曾有の狂気に完敗した。
魔界では、ドラキュラによる人間界侵略に対し、魔界国際連合が緊急安全保障理事会を開催していた。
常任理事国、最終決議——。
円卓を囲んでいるのは、デビルズ帝国『ファルケン・サタン皇帝』ルシファー王国『イザベラ・ルシファー女王』ウィザード共和国『メアリ・ユーア大統領』そして、サキュバス王国『サファイア・テレジア女王』だ。
決断は、この四人に委ねられた。
「はぁ——。植民地解放戦争に敗戦後、軍事クーデターを起こし政権を掌握……。軍事政権による強国主義は、禁忌の人間界征服まできたか……」
苦々しい溜息から悲痛な言葉を、ファルケン・サタン皇帝は漏らした。
「猿山思想の猿だ。ただ上に立ちたいだけ……。猿の頭じゃ、魔界と人間界の交錯が、どれほどの混乱を生むか分からない」
意気揚々とイザベラ・ルシファー女王は言い放ち、更に続ける。
「やはり、男に権力を持たせるのは間違いだな。母性がないから自己愛しかない。国民の為ではなく、己の欲望を満たす為に権力を使う……。それが、この有様だ」
魔界では、女尊男卑の考えを持つ者が多い。中でも、イザベラ・ルシファー女王は、女尊男卑の思想が特に強かった。
この場で唯一の男性で、小国を間接的に統治しているファルケン・サタン皇帝は、不機嫌を露骨にした顔を向けた。だが、イザベラ・ルシファー女王は全く気に留めていない。
「男性でも思いやりは理解出来る。尊敬も出来る。人間界の日本という国は、サムライスピリッツという、他者への敬意を重視する教えがありますよ」
妖艶な美貌で微笑し、サファイア・テレジア女王は穏やかに反論した。
「これは、女尊男卑を訴える会ではない。気を紛らわしたい気持ちは分かるが……。魔界国連軍として、手下に使うであろう人間ごと殺す戦争をするか、ドラキュラから助ける為に人間界に深く干渉していくか——。直ちに決断しなくてはならない」
大まかに分けると、これまでの会議で提案されたのは、この二つになる。
メアリ・ユーア大統領は、少女の様なあどけない顔を引き締め、全員に向け本題を切り出した。
少女の様な容姿だが、イザベラ・ルシファー女王とサファイア・テレジア女王より、百歳以上年上だ。イザベラ・ルシファー女王とサファイア・テレジア女王の年齢差は七歳で、イザベラ・ルシファー女王の方が年上。この場での最年長は、ファルケン・サタン皇帝だ。
「ドラキュラ達は、己の血を使い大勢の人間を道具に戦争をするだろう。大勢の人間が犠牲になれば、人との間に子供を作るサキュバスは大変な事になる。殆どの魔人は、人間に存在を知られないように努めてきたのに……」
今更ながらも嘆かずにはいられず、ファルケン・サタン皇帝は頭を抱えた。
サキュバスは女性だけの種族だ。人間の男性との間に子供を作り、サキュバスを産む。
「私の考えも、覚悟も、既に決まっています」
凛とした表情でサファイア・テレジア女王が言うと、他三人の表情が固まった。
「我が王国が人間を支援し、軍隊を編成する。人間が、ドラキュラに勝てばいい。魔人と対等なら友好な関係でいられるだろう」
「何を言っている? 人間と魔人は全然違う。魔人は人間より十倍近く生きる、それに人間は老化する。友好な関係は築けない。人間は生身じゃ蚊にも勝てない。ドラキュラに勝てるわけがない」
ファルケン・サタン皇帝は驚愕し、否定する。
魔人は老化しない。どれだけ高齢でも三十歳前後の容姿だ。
イザベラ・ルシファー女王も驚き、前のめりにサファイア・テレジア女王を見る。
「確かに、サキュバス王国だけなら混乱は抑えられる。だが、諸外国から非難を受けるぞ! いいのか?」
サファイア・テレジア女王を心配し、イザベラ・ルシファー女王は語気を強めた。
それでも、サファイア・テレジア女王は微笑みを崩さず、言葉を続けた。
「人間が弱いとは、私は思わない。人間は、魔力も何もなくても、自らの力でゼロから文明を築き上げた。科学を作り、寿命を倍近く延ばした」
更に、サファイア・テレジア女王は続ける。
「きっと、私の期待を超えられる」
サファイア・テレジア女王は断言した。
「諸外国から非難を受けないように、私達で尽力しましょう。何が起きても、国際平和を目指す意思は皆同じ——」
メアリ・ユーア大統領は、決断を後押しした。
メアリ・ユーア大統領の言葉に、イザベラ・ルシファー女王が反応を示す。
「全く構わないが、私は戦争をする気は存分にある。いつでも、必要ならば軍隊を派遣するぞ」
ルシファー王国は、始めから戦争をする気だった。
「サキュバス王国だけが、重荷を背負うのは絶対におかしい。我が国も出来る事があれば言って下さい」
座ったままファルケン・サタン皇帝は、頭を下げた。
「植民地解放戦争で受けた恩を、忘れることは絶対にない。サキュバス王国は永遠の友好国だ。我が共和国は、全てにおいて支援する」
メアリ・ユーア大統領は、決意を込めた強い瞳を向け一礼した。
魔界国際連合、人間界限定支援を決定——。
翌日、人間界——。
アメリカ合衆国、ニューヨーク州、ニューヨーク市にある国際連合本部ビル。
完全にドラキュラに占拠された中、各国の代表を集めた議会が行われていた。
「決して、我々は人間全員を家畜によこせと、言っている訳じゃない。各国内の四分の一を差し出せばいい。こちらが統治するからには、我々の武力で国を護る」
総会議場のど真ん中、演説台の上に片脚を曲げて座る、横柄な態度のドラキュラが言う。白い近衛隊の軍服を来ている。
「……安全保障もつくし、問題はない」
近衛兵の後ろに四人、総会議場内を囲むように三十人、黒い軍服のドラキュラが立っている。皆、男だ。手には、準備万端のように武器を持っている。
各国の代表達は、恐怖に顔を引き攣らせていた。……皆、緊張している。下手すれば直ぐに殺されると、誰もが思っていた。
——一方、ビルの前には扉が現れる。戦禍に出現した扉の、三分の一程度の大きさだ。
最初に姿を見せたのは、近衞隊長サリノ・セシル。次に、王女のボディーガード兼秘書シェリー・ミッシェル。後に、五人の近衞兵に衛られながら、ソフィア・テレジア王女とサファイア・テレジア女王が姿を見せた。
多少デザインと着こなしは異なるが、全員がサキュバス王国の赤い軍服を纏い、正装をしている。
最後に扉を出た近衞兵が地面に触れた。すると、鍵が出だ。鍵を取ると扉は消えた。
「何者だっ⁉︎ 動けば撃つぞっ!」
ドラキュラ達と政府に命じられ、周辺を護っていた軍人達が怒鳴る。が、全く動じずにサキュバス達は歩を進める。
直ぐに反応し、全員が機関銃を乱射した。
まるで動じないサリノ・セシル近衞隊長とシェリー・ミッシェルが、左手を向けシールドで止めた。
「魔界の道具でなければ魔人は殺せない。退けっ、我々は人間の味方だ」
寒慄のアイスドールと評される軍人サリノ・セシル近衞隊長が、完全な無表情で命じる。
味方と言われたにも関わらず、軍人達は凍りついた。ドラキュラにより、魔人の恐怖を知ったばかりというのもあるのだろう。
廊下を進むと、当然ながら軍人達が銃を撃ってくる。
「止まれっ!」
前に出たサファイア・テレジア女王が、手の平を向ける。
無数の銃弾が止まった。
サファイア・テレジア女王には、空気を自在に操る『エアスレイブ』という能力がある。
「人間の皆様、御安心なされよ。私達が、この修羅場を終わらせる」
微笑し言い、手を下ろすと銃弾が落ちた。
総会議場の入口が大きく開く——。
『アンティファクト!』
赤い巨大な魔方陣が上下に二つ、小さい魔方陣が二十、ドラキュラ達の目前に放たれた。魔方陣を見た直後、呻き声を上げ床に突っ伏す。
サリノ・セシル近衞隊長とシェリー・ミッシェル叫んだ『アンティファクト』とは、魔方陣を見た者の身体を自由自在に操る能力の事だ。
サリノ・セシル近衞隊長は、手の爪に赤い魔方陣を浮かび上がらせて術を出す。シェリー・ミッシェルは、左目に魔方陣を浮かび上がらせて、視線の先に魔方陣を出す。
二人共、念じて大きさや場所をコントロール出来るが、サリノ・セシル近衞隊長の方が数を放てる。
サファイア・テレジア女王が、ドラキュラ達に強い視線を送る。
「ドラキュラ帝国軍に告ぐ! 直ちに帰還せよ! 我が王国が、人間を護る事を国際議会で決定した」
サファイア・テレジア女王以外は、背中の羽、頭の小さい羽を出し、手に武器を持ち戦闘態勢を取っている。
「帰らないなら、全員ぶっ殺す!」
両手に双剣を構えた、ソフィア・テレジア王女が怒鳴った。
双剣の形状は日本刀と同様、小太刀より長さがある。
「国際連合は脱退した! よって指図は受けん! 貴様等こそ帰れっっ‼︎ 」
即座に目の前に放たれた魔方陣を斬り、術にかからなかった近衞兵が怒鳴った。
「やっぱ、口で言ってもムダかぁ……」
ソファイア・テレジア王女が、呆れを呟く。
近衞兵は、続け様に上下の魔方陣を斬り、睨んだ。
「強国を創る為には、人間の血は必要不可欠っ!」
ドラキュラにとって、人間の血は万能エネルギー。どんな病気も怪我も治癒出来て、魔力を上げられる。その為、魔界で人間の血は高額で取引されている。
「我が新帝王は、競争社会を実現させ、誰もが上を目指せる制度を設けた。真の賢者と強者の政治——」
近衞兵は剣を強く握った。
「偉大な強国を創る為に、ドラキュラ帝国軍は……一歩も退かぬっっ‼︎ 」
目にも止まらぬ速さで、サキュバス達に斬り掛かる。
……が、他を払い前に出たサファイア・テレジア女王に剣撃避けられ、顔を軽く平手打ちされた。
直後、近衞兵の身体は横に回りながら吹っ飛んだ。
「最も強い者は子供の前に立つ女だ。強国を創る為に、帰って帝王に伝えるといい」
冷やかな視線で見下し、サファイア・テレジア女王は言う。
近衛兵は、あまりの実力差に動揺している。
「あんた等は、何を護ってんの?」
問い掛けたソファイア・テレジア王女も、冷たい視線で見下す。
サリノ・セシル近衞隊長が、近衞兵の前に来て槍を向けた。
穂が楕円形で、中心の赤い玉を囲むように六つの刃が付いた長槍だ。中心の赤い玉からもアンティファクトが放てる。
「平等に有るべき社会保障を取り上げ弱者を生み、反対する者を殺し、国民を脅かす! 国民を護らない軍隊と王に、存在価値はない!」
相変わらずの無表情だが、サリノ・セシル近衞隊長にしては珍しい強い口調だった。
「女王陛下、只の野蛮人に成り下がった軍人は、殺していいと思います。御命令を下さい」
シェリー・ミッシェルの左目に再び魔方陣が浮かぶ。武器の十字槍を構えた。
赤い玉が十字の中心にあり、サリノ・セシル近衞隊長の槍と同様に、アンティファクトが放てる。
アンティファクトは、体の魔方陣が消えるか、放たれた魔方陣を破壊するまで術は続く。
一部始終を見ている人間達は困惑していた。
「助かるのか?」
「ドラキュラ帝国は、軍隊が脅威になっているのか?」
「美人種族の方は、平和か? 」
「美人種族は強くて正しいようだ」
「ドラキュラ帝国の思想には共感するが、やり方は間違えだな」
美人種族と言われる程、サキュバスは容姿が優れた種族だ。
通訳ブースでは確認を取っていた。
「間違いありません。全員が母国語に聞こえています」
「ドラキュラ達と同じだな」
魔人の発する言葉は、聞く相手の母国語に聞こえ、魔人の聴覚は、全ての言語を母国語として聞くことが出来る。よって通訳は必要ない。
「——術を解け」
サファイア・テレジア女王が命じる。
サリノ・セシル近衞隊長の爪から魔方陣が消え、突っ伏していたドラキュラ達は起き上がった。
一瞬、人間達がざわつく。
「最後通告だ。帰還するなら見逃すが……どうする?」
サファイア・テレジア女王が、ドラキュラ達を見渡す。
「調子に乗るなよ! ドラキュラ帝国軍に告ぐっ‼︎ 命を懸けて大義に尽くせっ‼︎」
近衞兵は叫び、サリノ・セシル近衞隊長の槍を剣で力任せに薙ぎ払う。
他のドラキュラ達も、周りの人間に構うことなく、サキュバス達に襲い掛かる。
直ぐにサキュバスの近衞兵は人間を衞るように飛び、飛膜から広域シールドを出す。羽の飛膜とシールドは同色で、人により色は異なっている。
ソファイア・テレジア王女とシェリー・ミッシェルは、ドラキュラ達を遥かに上回る速さで飛び動き、次々と斬り殺す。
ドラキュラの近衛兵と戦うサリノ・セシル近衞隊長は、槍で剣撃を受け流しながら後ろに下がる。大きく後ろに下がり、剣撃を避けた後、踏み込んで近衞兵の首を斬り落とした。
全てのドラキュラを殺し、サキュバスが圧勝すると、場内から安堵の声と歓声が上がった。
「やった。助かった」
「凄い! 美人種族の圧勝だ」
「解放された! やった!」
サファイア・テレジア女王に続き、中央にある演説台の周りにサキュバス達が集まった。
「人間の皆様、改めまして。私は、魔界のサキュバス王国、サファイア・テレジア女王です。我が種族は人間との間に子供を作る、人間の味方です」
サファイア・テレジア女王に続いて全員が挨拶すると、場内から歓迎の拍手と感謝の声が上がる。
「皆様が御存知の通り、ドラキュラ帝国は人間界侵略を実行している。当分は我が軍で守護するが……それでは不十分。各国に、軍隊を編成する必要がある」
女王が言い終えると、場内が響めき出す。
「人間じゃ、ドラキュラに勝てない」
「最新兵器すら敵わなかったんだ、無理だ」
想像通りの反応に薄く笑みを漏らし、サファイア・テレジア女王は続ける。
「我が国で、武器開発支援及び、人材育成支援を行う」
二、三人の人間がマイクを握った。
「待って下さい! 人間が、ドラキュラに勝てると思っているんですか?」
「当然思っている。各国の代表達は我が国に媚び諂い、安全保障に多額の税金を使い続けるのが望みか?」
「それは、確かに……ちょっと……」
「対等にならなければ、友好な関係は築けない。それに、魔界にはドラキュラ帝国以外に、人間の脅威になり得る種族も存在する」
そう言うと、サファイア・テレジア女王は表情を引き締めた。
「人間達よ、進化の時だ! 信じよっ! 今まで数多の困難を乗り越え、文明を築き上げた歴史を、人間の力を信じよ! 人間は……ドラキュラに勝てる!」
「——私達は信じている」
女王の演説に、日本の代表が立ち上がった。
「信じます。この世界の、人間の未来の為に——」
他の代表達も続いて賛同し出す。
「そうだな。どの道、それしかない」
「確かに、最善策だ」
「サファイア・テレジア女王陛下、宜しくお願いします!」
日本の代表が頭を下げると、場内は再び拍手と歓声に包まれた。
その後、軍隊教育機関が設けられ、危害を加えない魔人と明確に区別する為『対イーブル軍』と名付けられ編成された。国際協議の結果、サキュバス王国は外部監査を担い、総本部は日本に設立される事になった。
対イーブル国際同盟及び、国際協定締結。
——だか、国際情勢には暗雲が垂れ込める。
アメリカ合衆国が主導し有志を集い、多くの犠牲を払った湾岸戦争の責任を、連合国から追及された。
国内外から大切な人を喪った人々が中心となり、アメリカ政府へのデモが勃発する。
対イーブル国際同盟、国際協定でも問題が発生した。
魔界の通貨が、金、銀、プラチナが原料に使われている為、通貨価値は先進国の平均を五倍上回り、発展途上国は武器の原料が買えない。他に、サキュバス王国が全ての宗教活動を大罪としている為、宗教活動が盛んな国は加盟が許されなかった。解決策として、対イーブル軍を国際公務員とし、国外派遣を行う事にしたが……。
賠償金の支払いを免れたイラクを始め、身分制度や差別が横行している国が、ドラキュラ帝国と安全保障条約を結んだ。
間も無くして、アメリカ合衆国で内戦が勃発する。その後、戦火はヨーロッパに飛び火した。当然、世界経済の景気は後退が続き、国政不信によりデモが激化する国もあった——。
西暦二千二十年、内戦が続いたアメリカ合衆国は、三ヶ国に分断した。西暦二千二十五年、欧州連合は解体し、中東諸国では戦争が続く。
——国際情勢は混乱を極め、世界は乱世を迎えた。
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