第7話天の川
シャワーを浴びて出てくると、ばぁちゃんはどう着替えたのか、子供らしいパジャマ姿になっていた。
「ばぁちゃん、どこで寝る?」
客用の布団がない。いっしょの布団に寝るのはなんとなく気まずい。
「ばぁちゃんのことは気にしなくていいよ」
「だけどさ」
ばぁちゃんなのに子供の姿で、自分をばぁちゃんと言っているのに違和感がなくなってきたな。そんなことを思いながら、結局冬用の羽毛布団を二つに折って敷布団として、上掛けはバスタオルをかけることにした。
用意をすると、ばぁちゃんは「いいっていってるのに」と言いながらもうれしげに、いそいそとそこに座った。
「今はこんなに軽くてふかふかな布団があるんだねぇ」
「ばぁちゃんのときはなかったの」
「今風に言うなら、昔ながらの和布団、かねぇ。重いやつ」
「あー、伯父さんとこで使ってたな」
エアコンをタイマーにして、電気を消す。
「ばぁちゃん」
「なに?」
「ばぁちゃん、いつまでいっしょにいられるの」
きっと、ずっとではないだろう。その日はいつだろうか。いなくなってしまうさみしさが、もうすでに、ちょっとつらい。
ばぁちゃんは薄暗い中で考えてから、
「天の川はゆうちゃんといっしょにみられるよ」
と言った。
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