黎明の風 流れる雲〔1〕
もってぃ
桃原に花の咲く頃
桃原に花の咲く頃(一)
【こちらは物語の舞台の中華世界となります】
https://kakuyomu.jp/users/motty08/news/16817330647954420293
盛りとなった桃の花が、そよと風に揺れている。
大路の先に
その上には、やわらかく澄んだ空が広がっていた。
中原を東から入り北西へと流れる
そんな桃原の門道の大路を一心に歩いてきた
もしも少女の脳裏を覗いたならば、
(今日こそは〝
――十三歳の
すると、
一拍の後、強い風を背に感じた。
肩をすくめた明璇の、まだ
風が抜けるのを待って、明璇は歩を再開した。埃を払うような仕草もない。
ここ桃原では、大路であろうと小路であろうと、埃が舞うということはない。街中の路という路の端には白河の流れを引き込んで水路を巡らし、
その清潔な都の大路に相応しくない存在を見たと思った明璇は、踏み出そうとした一歩を止めると、市中の東の端の最後の坊を隔てる〝
大路の端に沿う水路の上に渡された蓋橋の上で、質素な白い
〝素衣・素裳・素冠〟は他国へ亡命するときの礼装である。そのことから、南方の「
ありていに言えば〝
父の周囲にはそんな輩も多くおり、明璇にとり、彼らは生理的嫌悪の対象だった。
処士は条の大路を貫く水路の蓋橋の上で、往来を塞ぐように
一方、
大振りな唇の
大路の真ん中で一触即発のふたりを目にしたとき、
処士の
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