4話 親父のバイタリティー

 次の日、オヤジのバイタリティはすごかった。

 俺に面接時間について電話させた。


「面接したいって人がいるんですけど」

「OK、店長とジカンとれるよ」


 外国人の先輩に許可を取って

 オヤジの面接の時間を取ってもらった。



 面接当日、オヤジはかつらをかぶり、

 スーツを着て、無精ひげを剃った。


 その結果、50代後半の執事が出来上がった。

 思っていたよりもダンディに仕上がっている。


 言いたくはないが――カッコ良い。


「じゃぁ、いくか」


 面接を1時間足らずで終わらせた結果、

 アルバイトで、週に4時間という短時間で採用されたのだった。

「お前はしばらく出勤なしだからな」

「え?」

 学生の本分は勉強だから

 親の収入を圧迫するほどの労働はさせるわけにはいかない。


「その代わりにオヤジがでるといいたいのか?」

「そうだ。おとなしく勉強しておれ」


 確かに勉強の復習をする時間が無くなって

きていたところだった。


 ベッドにごろんと横になるとひどく安心する。


 こんなにも緊張していたんだと実感する。


 日付けは8月の中旬。

 まだ夏休み。

 


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