言葉の通じない女性を拾った。元カノが現れた。(仮)

鷺島 馨

第0話:プロローグ

「君が帰る場所が無いのなら、ずっとここに居ればいい。ここを君の居場所にすれば良い」


「でも、私がここに居続けると貴方達に迷惑をかけてしまいます」


「そんな事は気にしなくて良い!」


 長い栗毛色の髪を纏めた女性、顔は逆光で分からない。それでも何故か儚げに微笑んだ事は感じ取れた。


 俺を置いて彼女は行ってしまう。今、手を伸ばさなければ二度とその手を掴む事は出来ない。俺は必死に手を伸ばし名前を叫ぶ。


 引き止める俺を振り切り彼女は白い光の中にその姿を消す。


 視界全体を白い光が埋め尽くしていく…


 そこで俺は目を覚ました。必死に伸ばした手の先には柔らかい毛ともっちりとした肉の感触。うちの愛猫あいびょう『れを』の腹を掴んでいた…構われたと思った『れを』は両前足で俺の手を抱え込み甘噛みをしてくる。


 少しの間『れを』とたわむれ時刻を確認する。


「三時か…そろそろ準備するか…」


 見ていた夢の内容は覚醒と共に記憶の中からこぼれ落ちていった…



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はじめまして。

初めての小説になります。至らないところもあるかと思いますが、よろしくお願いします。

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