鳶ちゃんと!

足の裏ひであき

第1話 お家デート編 前編

「あっっっつい。。。」

7月に入り夏本番と言わんばかりの茹だるような暑さの中、駅前で一人の男が人を待っていた。


このままじっとしてるだけで燃えてしまうのでは無いかと思いながらも男は内心ウキウキしていた。


今日は鳶ちゃんとお家デート!!!楽しみすぎる!!!エヘ、エヘヘヘ!!!


頭の中はすでにメルトダウン寸前であった。。。


そんな中、遠くの方から呼ぶ声が聞こえる。


「おまたせじゃよ!暑かったじゃろ〜」

その声を聞いて現実に引き戻され、声のする方に顔を向けた。


今日の見た目はいつもの和服とは違うスポーティーな出で立ち、大きく吸い込まれそうな瞳とちいさく可愛らしい唇、見た瞬間にまた妄想が爆発寸前であった。


「さっ、行くじゃよ!」

すっと手を握り引っ張られる

「え、お、おう」

と、ドモリながら返事をし、歩き出した。


ウィーーン

「あぁ!涼しいじゃねー!」

二人で向かった先はレンタルショップ

今日一緒に見る映画を借りるためだ。

「んーどれにする〜?やっぱりマーベルかな?!」

「これなんてどうかな?」

と恋愛映画を見せる。

「うーん、あんまり面白そうじゃないじゃねーこっちにしよ?」

とマーベルで押し切られてしまった。

ホントは恋愛映画でも見て更に距離を縮めたいと思っていたが無念である。


レジに向かいながら鳶ちゃんはこちらを向いて話し始めた

「えへへ、ネットでも見れるけどこうやってあなたとふたりで選びたかったんじゃよね〜」

と笑顔を見せてくる。

この笑顔を見れるならもうなんでもいいや!とさっきまでの無念は吹き飛んで行くのであった。


この男べた惚れである。


「さあ、次はスーパーに向かうじゃよ!」

レジをすませた鳶ちゃんはそそくさと次の目的地であるスーパーに足を向けた。


暑い外は苦手な二人はフラフラになりながらスーパーに入っていった。

ウィーーン

「はぁー、ほんと今日は暑すぎるんじゃが!歩いてる間地獄じゃよ!こんな暑い日は我がつくる無水カレーが一番美味しいんじゃよ!」


そういいながらカレーの材料や飲み物やお菓子を買っていく。

気がつけば結構な量になってしまった。


「思ったより多くなっちゃったじゃねー」

大きな袋を前に固まる鳶、男はその袋をひょいと持ち上げてとお店を出ていった。


その力強さにドキドキしている鳶ちゃんに全く気が付かない男は、「何してるの?暑いから早く行こ?」と声をかける。


「うん!でも我は荷物がないから手持ち無沙汰になるじゃろ?これで解決じゃね?」

といって荷物を持っていない反対側の腕に飛びついてきた。

急な事でびっくりした男だが、ドキドキがバレないように「あっ、暑いって言ってるのに・・・」と心にもないことをブツブツと言っている


「いいーんじゃよ、我がしたいと思ったの!」

といいながら腕を組んで歩いてる帰る二人であった

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