第一四刃大いなる諸悪の根源
そして、更に、乱入者が増えてしまう。
時空間に亀裂と皹が完全に割れた空洞の穴、暗黒空間、そこからまろび出る巨悪の化身。
その場にいた者達は体がこわばりすくんだ。
心の一方の完成形の異種である
地面に力なく四肢を投げ出し、引き摺られる六本の金色の翼をしたこの世で最も美しいと言われるだろう虚ろな両目の美少年、その名は悪魔王ルシファー、その存在の首に鎖付きの首輪がされて、鎖を持つ者は見知った老人の顔、既視感あるロシア系の頭部、それ以外は異様な雰囲気、人外の気配がされている。羽織る黒衣はパワードスーツどころか
「我が名は
緋走はその存在を前から知っていたような、自分のせいで生み出したような気がするとも思いながらも、彼に迫り、斬り終えていた。
いつの間にか精製した旧陸軍の軍刀の上物はため息とあくびを交えながら抜刀された。
「
八雷神、黄泉国で腐敗した伊耶那美神の体に成っていた八種の雷神。頭に大雷、胸に火雷、腹に黒雷、陰に析雷、左手に若雷、右手に土雷、左足に鳴雷、右足に伏雷がいた。伊耶那岐神が、変わり果てたその伊耶那美神の姿を見て逃げ去った際、伊耶那美神は、予母都志許売に次いで、八雷神に千五百の黄泉軍を添えて遣わして追わせたが、黄泉比良坂の坂本に到って、桃の実によって退散させられた。あの世、黄泉の積戸気の塊、それが発電、放電して禍々しい緋色の雷になる。
彼岸、冥界の怪しき緋色の雷を刃は纏う。
「本来、このようにするのが定石だった」
八回攻撃が鋭く、素早く、迅速に終わる。
死にゆくはずのゼニスへと手向ける言葉。
ゼニスは生を諦めない、
「まだ暴れ足りねぇんだよッ!」
不良の原理そのもの、涜聖の言葉の吐露だ。
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