流血刀
飛瀬川吉三郎
第一刃純粋喧嘩
世界にはあまねくオカルト話があり、それにより、新しい話が空想の話として生み出される。
それでも、人は空想を空想の話として終わり、そして、自分は空想の住人でないと悟る。
どんなに能力を会得したとて、宝の持ち腐れになるかもしれない。
跳梁跋扈する主役等の配役が加えていくとしても、自分は所詮、凡庸な人間でしかないとも悟るかもしれない。
それでも、今でももしかしたら、忌々しい運命は始められているのかもしれない。
激辛ブームがあったりなかったりする最中、常夏の一日、池袋北口にあった中華料理店『鬼人館』、そこにあるメニュー。
火鍋、鬼のような辛さの火鍋、重慶の麻辣火鍋。煮ることも焼くことも可能なのをベースとしたのに更に秘伝の特製香辛料を加えてる。豊富な肉と野菜の入った鍋はすぐに食い終わった。呆気なく徹底的に貪り終わる。
「‥‥‥‥」
「美味しかったカ?」
ごちそうさますら言わない男に返答を要求したのは店の娘である。
「美味しかったよ」
その言葉を聞いて闊歩する大男がいた。
「じゃあ、次は食後の運動の時間だなァ」
その大男はただ喧嘩をご所望していた。
「お会計が先ヨ」
火鍋1580円。二千円札D号券で払った。
店の外に出てすぐに拳が振るわれた。
遠くに吹っ飛ぶご飯を終えたばかりの男はやがて、コンクリートの地面に転がる。
「?」
その男はその歯ごたえの無さが奇妙に思えると同時に更なる違和感を感じていた。
背後にも同じような気配がある、不思議だ。
「
大男の目的は奇怪、イギリスと中国の関係はアヘン戦争の時から険悪、しかし、それでも、イギリスにもチャイナタウンがある。イギリスにとある男の墓がありその男が生きていると言う。可能性は一つ、
「
大男はその答えに驚愕と共に攻撃された。
目の前の男が持っていた凶器とは暗器であり、
鉄扇を振るう、それは風の斬撃と化した。
「
大男の胴体全面を斜めに切り裂かれた。
「ば、馬鹿なッ!カバッ!」
大男はそれのみで倒れていった。
「まだ、舞い足らねぇんだけどな」
その男の名前は
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