(2)
「あのなあ……お前ら……何で、あのスーの弟分なのに、そこまで気が弱いんだ?」
「ふ……ふみゅ〜」
「ふみゅふみゅ〜」
ちびすけさんが、牧畜犬の代りに雇われたのに、気が弱くて牛達に舐められてるらしい2匹のティラノサウルスっぽい恐竜に説教をしていた。
ウチで飼ってる牛など一瞬で噛み殺せそうな体格なのに……牛の機嫌が悪くなるとスゴスゴと引き下がってばっかりで、牧畜犬の代りとしては、あまり役に立ってないようだ。
迷彩風の模様に派手なオレンジ色のタテガミが頭から尻尾の先まで生えてて……片方が恐そうな顔で、もう片方は眠そうなのか泣きそうなのかよく判んない顔。
「まぁ、いいや。明日からは俺と一緒に運搬の方に回れ。俺より図体はデカいんだから、力だけは有るだろ」
「ふみゅ〜ふみゅ〜」
「ふみゅふみゅ〜」
えっと……よくよく考えたら、何で、恐竜がバイトさん達のリーダーをやってんだ?
ドンっ‼
その時、何故か轟音。
「
それは……ちびすけさんの胴体に激突して……。
「う……うそ……。あれでデモ隊を何人も『事故死』させてきたのに」
「体の大きさが全然違うでしょッ? 阿呆なの、あんたはッ?」
だ……だれ?
プシュ〜……。
ちびすけさんの体に激突した「何か」から煙が……。
「我々は魔法少女隊ラストバタリオン。貴様ら邪悪な侵略者どもから地球を守る正義の戦士だ。貴様らの弱点は、その効率的は肺……ふにゃ〜」
「何やってんすか、リーダー?」
「大声出して、自分で催眠ガス吸い込んじゃったみ……」
「ともかく、その子を確保して、早く逃げるぞ」
この暑い中、真っ黒くて長袖の……ナ○スか何かの軍服っぽい服を着た女の子の一団の1人が、あたしを指差し……。
な……なんなの、この@#$%集団?
えっと……足下がふらつき……目が霞み……一体、この煙……何?
って……。
期待したあたしが馬鹿だった。
マトモな状態なら……この@#$%どもを一瞬で蹴散らせそうな恐竜さん×3は……呑気にグーグーといびきをかいていた。
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