浜辺でギャルに懐かれた話

桜井正宗

浜辺にてギャルを救出――すると彼女になってくれた

 スイカが落ちてきたと思ったら、それは胸だった。

 ばるんばるん揺れる巨大な乳。


 クリーム色の髪をしたギャルが倒れていた。


 何事かと起き上がり助けに行く。

 どうやら熱中症のようだ。


 友達とかいないのかなと見渡すが、それらしい人物はいない。それどころか、ここは過疎っている浜辺。人のいる方が珍しいのだ。


 人命救助として仕方なく、彼女の体を起こす。海の家へ運びエアコンのある場所へ寝かせた。


 すると、数分後には目を覚ました。



「こ、ここは……」


 俺は、自分が“海の家の息子”であることを打ち明けた。――で、目の前で君が倒れていたから救助したと説明。


 すると、ギャルは慌てて何度も頭を下げた。



「助けてくれてありがとう。あたし、帽子を忘れちゃって……えへへ」



 そうか、と俺はうなずく。

 彼女はお礼がしたいと言ってきた。


 そんなのは不要だと、俺は水を渡す。



「こんなに良くしてもらって、良い人に拾われたみたい。良かったぁ」



 ギャルは胸を撫でおろす。

 こうして見ると派手な水着をつけているなあ……肌の露出が多い。



「あの、お礼がしたいの。君、彼女とかいるの?」



 いるわけないと、俺は涙ながらに言った。

 すると、ギャルは「そうなんだ」と短く返事を返す。それってどういう意味だっ。



「じゃあ、あたしが彼女になってあげる」



 この子が彼女に?

 まだ名前も知らない、このギャルが。



「あ、そうだった。名前、まだだったね。あたしは『真帆まほ』だよ。『熊野くまの 真帆まほ』ね」



 可愛らしいな。

 こんな人が彼女なら毎日が楽しいだろうなぁ。



「だから彼女になってあげるって」



 マジか。これは夢か?

 自分の頬を抓るが、現実だった。


 俺は、真帆に腕を引っ張られて浜辺に連れて行かれる。



「一緒に泳ご」



 そうだな、せっかくこんな巨乳ギャルと出逢ったんだ。遊ばないとかもったいない。ちょっと恥ずかしさもあったけど、人なんていないんだ。


 思う存分遊ぶか。


 穏やかな波が流れてくる。

 ゆっくりと海へ泳いでいくと、急に荒い波がやってきた。すると真帆が叫んだ。



「きゃあ! 波にさらわれちゃう」



 本当にさらわれそうになっていたので、俺は真帆の腕を掴む。が、真帆の様子がおかしかった。



「あ……水着が取れちゃった」



 よく見るとビキニトップ……下着で言うブラジャーの部分が取れてしまっていた。真帆は腕で隠していたが、これは大変だ。


 俺は水着を探すが、この波では流されてしまっただろうな。


 焦っていると真帆が抱きついてきた。



「こ、この方がいいな。抱きついている方が隠せるから」



 いきなり抱きつかれ、俺はドキドキした。女の子に抱きつかれるとか――いや、緊急事態なんだ、仕方ないよな。



「えへへ、なんか……凄いことなっちゃったね」



 本当にね。

 ギャルからこんな風に抱きつかれることになるとはなぁ。本当に彼女みたいだ。



※G’sこえけん用作品です

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