あやかしと聞いて、最初に思ったのはほのぼの和風ファンタジーだったのですが、読み進めるうちにあらびっくり。紛うことなきホラー小説でした。
この世界では、呪殺は殺人罪に問われないので、登場人物がびっくりするくらいよく死にます。
呪われるにはそれだけの理由があり、口ではどう繕おうとも、人の根底や本質は簡単には変わらないことや、形だけの反省や謝罪の言葉を嘲笑うかのように、自分へと不幸が返ってくる。全てのエピソードがきれいごとだけで終わらず、ざらりとしたものを心に残して話が進んでいきます。
所長の環さん、話の分かるいい人かと思いきやとんでもなかったです。言葉の端々に滲む闇の発言(?)で、七森くん……私はそうなるような気がしていたよ。
面白かったです。