10.ぽたぽた
雫をぽたぽた落とす、生中二つ。触れ合わせれば、ちりんと鳴った。
一気にジョッキを干し、亜弥は大口開けて笑う。
「この瞬間こそ至福!」
顎からぽたぽた落ちる汗。ちびちび泡を啜りつつ、私はじっと彼女を眺める。
苦いビールは嫌いだけど。亜弥のこの顔が、私は世界で一番大好き。
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