第3.5話 兄弟ってまさか…
「うぅ、酷い目に合った……」
高田さんの告白を断った後、理不尽なことに僕はボコボコに殴られた。
やっぱりあの暴力女嫌いだ!
さすがに家まで追いかけてこないことを願うが……上手く撒けたようだ。
そして無事に家へと着くと、僕は胸をなでおろし安堵する。
「今日は厄日だな」
だが、朝から今まで詰め込み過ぎなぐらいの展開があったから、さすがに……朝?
『母さん再婚するから』
……あっ。
僕は朝の出来事を思い出しとぃると、タイミングよく家のドアが開く。
「あ、晴斗! おかえり、ちょうど今再婚相手の」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
「え、何?どうしたの急に」
忘れてた。忘れてた!忘れてたァァァ!
な、何故だ?! こんな大事な事を何故忘れて……
『は、ハルのことが好k』
高田ぁぁぁ!
あいつが現れたトラウマで、今の今まで忘れていたとは!
まだ何も心の準備が………まてよ?
こんなに都合よくトラブルが巻き込まれるとなると、再婚相手って……
「も、もしかして、もう家にいる?」
「そうよ。晴斗の帰りを待ってたんだから、早く入りなさい」
「……」
これが漫画やラノベの世界ならお約束の高田さんと家族になる展開になるな!
よし! 一旦河川敷で泣きに行こうっと!
「ごめん。ちょっと急にファルチキ食べたくなったからコンビニに」
「そー言うと思ってちゃんと買ってきたわよ」
「いやいやそー言うと思ったってそんな都合言い訳」
「ほら」
そう言うと母さんは、手に持っていたホカホカのファルコンチキン(税込180円)を差し出す。
ちくしょう!
「やっぱり、からあげさんが食べたくなったからまた後d」
「ほーら早く早く」
「いやちょっと心の準備が!」
嘘だろ?! まさか再婚相手がさっき振った女子で、兄妹になってそんでもってひとつ屋根の下で住むなんてそんな…そんなこと!
「こちら新しい旦那の一平と、ちょっぴり人見知りの航太くん!」
「初めまして。遥(母さんの名前)さんにいつもお世話になっている神田一平≪かんだいっぺい≫です。急に再婚することになったけど仲良くしてくれると嬉しいかな。そしてこっちが航太です。今年中学生になったばかりで…ほら挨拶して」
「…ッス」
ですよねー
普通に再婚だった。
母さんの再婚相手はさわやかイケメンな人だった。航太くんはあまり話さない物静かな子だ。やはり急な再婚ということで緊張しているのだろう。
まっ! 予想よりもましだから全然いいけどね!
……いや、やっぱ親の再婚を受け入れることもハードル高いな。
この後、僕は新し家族で夕食前に濡れていたズボンをこっそり洗濯機で洗う。そして同時に、今日のストレスを綺麗さっぱり忘れることにして、僕は考えることを辞めた。
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