第3話 気絶×喧嘩×失禁
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」
とっさに逃げたが、いつの間にか隣町まで来ていた。
流石にここまでは来ていな
「待てー!!!」
見つかった。
「ひぃぃぃぃぃぃ!」
げ、現在!ハンターから逃走中!ハンター(さくら)はとてつもなく速いです!捕まったらなにをされるか想像できないです!!
「ボコボコにしてやるー!」
どうやらボコボコにされるようです!
死ぬ気で逃げ切りたいと思います!!
―――3分後
捕まった。
「何で逃げたの?」
公園に逃げ込んだ所で確保された。
「はぁ、はぁ、ちょっ、ちょっと待っ、げほっげほっ」
僕は走り続けて息も整えられないのに、彼女は汗一つかいていない。
昔ながらの体力は変わりないようだ。
「どう言い訳するのかしら?」
うわーめちゃくちゃ怒ってるー。
なんか周りにドドドドとバトルが始まるような、効果音が見えてきた。
まぁ隣町まで逃げらたらそうなるか。 ……いや、そこまで追いかけてくるのもどうかと思うけど。
ここは慎重に言い訳しないと殺される!
「い、いやー実は突然あの夕日に向かって走りたくな」
ガンッ!!
すると彼女は公園に植えてある木を殴る。
木はメキメキと音を立てながら倒れた。
「……こうなりたいの?」
「冗談です」
この人もう人間じゃねーわ
「これで最後だからね?なんで逃げたの?」
こ、ここはやっぱり正直に言うべきか?
「……」
だ、ダメだ!あの目は殺る目だ!癇に障ったら即死に違いない!
どうすれば……
「……はぁ」
あかん!拳に力を入れて、戦闘態勢になろうとしてる!
よし、ここは褒めよう!うん、そうしよう!
「さ…高田さんが昔に比べてすごく綺麗になってたから!……です」
「え?」
「高田さんみたいな美人に話しかけられたら緊張して、とっさに逃げたんだよ!でも突然逃げられたら腹が立つよね!それは本当にごめんなさい!」
「……」
……さすがに露骨過ぎたか?
「そ、そんな事別に……えへへ」
「……」
…チョロいな
ここで褒め倒し、逃げた事をうやむやにしてボコボコの刑を避けるしかない!
「いやいや!高田さんは綺麗になった…いや元から綺麗だったね!」
「そ、そう?」
「そうだよ!高田さんと友達になれた僕は、なんて幸せ者なんだ!」
「えぇ?」
正直自分で言ってて恥ずかしいセリフばかりだが、顔を真っ赤にして嬉しそうだ。
「もしかして、高田さんはモデルとかしてるんじゃないの」
「褒め過ぎよ!」
バキッ!!
彼女の照れ隠しか、僕の背中を叩く…いや、叩き飛ばした。
僕はそのまま地面に顔面ダイブし、意識を失った。
※※※
……ん?ここは……
『……』
目の前には大きな川が流れている。
あれ?僕こんな所に来た覚えはないんだけど……
『……ぞ』
ん?川の向こうで誰かが叫んでいる。
男の人か?
『ま……』
もしや、僕の事呼んでいるのか?
おーい!
『まだ……ぞ』
あれ?声が届いてないのかな?
川も浅そうだし、渡れないこともない。
今そっちに行きまーす!
『まだ早いぞ』
え?何が早い……あれ?あんたもしや…
「父さん?!」
「さくらだけど」
目が覚めると、川の向こうにいた父さんは消え、代わりに地獄の使者が現れた。
「……僕は死んだのか」
「ハル、あんた今すごい失礼な事考えたでしょ?」
テレパシー使いだった。
「……ごめん」
「え?」
謝るのは僕の方じゃ
「あ、アタシが強く叩いたせいで、ハルが…」
…ああそうだ。さっき高田さんに殴られたんだっけ。
よく生きてたなー
「いや、慣れてるし大丈夫だよ」
昔からよくやられてたし。
「?それなら良かった」
……てかこれって膝枕だよな?さっきから丁度いい大きさで、柔らかい物が頭にあるなと思ってたら。
「…久しぶりね。こうやって話すの」
「そう…だね」
……何だろう。少しドキドキするんだけど。
女子と会話なんて、ここしばらくなかったからかな?
…いや、まず膝枕してるからだ!
僕はすぐに起き上がった。
「何?照れてる?」
「そ、そりゃあ…ね?」
「ふふっ」
くっ、高田さんにこんな照れるとは!
あのトラウマを思い出せ!
幼稚園の時、僕が虫を苦手なのをいい事に、僕のカバンによく虫を入れて、最終的に虫持って追いかけられた。
小1の時は、ヒーローごっこで、僕は常に敵役、高田さんはヒーロー役で、僕を倒し続けた。
小3の時なんか、僕を山に無理やり連れて行って、ちょっとした遭難してあれが……
よし、落ち着いた。
そうだよ。簡単にドキドキするほど、僕は高田さんの恨みを忘れてはいない。
「……」
すると、高田さんが口を閉じ、モジモジし始める。
もしや、おしっこ我慢してるのか?
「は、ハルってさ…好きな人いるの?」
好きな人?そんな人いる訳がない。
何故なら僕は女子とまともに話すどころか目も合わしたこともないからだ。
「いないけど…」
「そ、そっか!それは良かった!」
良かっただと?!喧嘩売ってるのか!
「……」
妙だな。高田さんが人の不幸を喜んでいるように見えない。まるで……
「ハル」
まるで、僕の事を好
「アタシ、ハルの事が好」
「見ぃぃ付けたぁぁぁぁぁぁ!!」
「え?」
高田さんの声を遮るのは、学ランで、金属バットを持ち、タバコを吸う、明らかにヤンキーの三人組だ。
「!あんた達…」
高田さんは、ヤンキー達を知っているようだ。
元彼とか何かか?
「昨日殴られた俺の可愛いほっぺがよぉ?まだ痛むんだよなぁ」
「フンっ!あんた達が年下にカツアゲするからでしょ?」
なるほど。恐らくヤンキー達に絡まれていた人を、高田さんが助けて、それをヤンキー達が逆恨みした。
そんなところだろう。
「悪い子にはお仕置きしねぇとなぁ?」
「…悪いけど、用事があるから手加減しないわよ?」
え?さっきまであんなにラブコメみたいな青春の雰囲気が、バトル展開になるの?
「ハル」
僕が唖然としていると、高田さんが告げる。
「3分で片付けるから、ちょっと待ってて」
そして、高田さんとヤンキー達のゴングが鳴った。
1分後
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「わ、悪かった!俺たちが悪かったから!」
「おいタケ!しっかりしろ!クソっ!」
「まだ元気があるの?」
「「!」」
高田さんはまだまだ殺れるという殺気を放ちながら、ヤンキー達を煽る。
「まだ2分ぐらいなら相手してあげるけど?」
「くっ!この野郎!」
3人の内、1人は既にダウンしていて、残りの2人で高田さんに襲いかかる。
2人が左右から、拳を振り上げるが
「「!」」
片方は片手で受け止められ、もう片方は軽く受け流し、高田さんのストレートが、顔面目掛けて放たれる。
そして、残った1人をみぞおちを殴り、ダウンさせ、結果1分半の戦いが終わった。
「次また来るならもっと容赦しないから」
そう言うと、高田さんは僕の方へ振り返り、頬を赤らめる。
「……それでね?さっきの続きなんだけど」
辺りは血の池が溜まり、ヤンキー達の死体?が転がっていた。
「……あ、アタシ!」
高田さんの制服、拳には返り血が付いている。
「ハルの事……が、す!」
そんな彼女の姿に僕は
「……す」
おしっこチビった。
「好k」
「ごめんなさい!」
「……え?」
だって恐かったんだもん!!
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