物語の小箱 -2020 Novelberまとめ-
鳥ヰヤキ
Novelber day 1 『門』
門が開く。凱旋した戦士達が、拍手で迎え入れられる。
今日の為に摘まれた花が、屋根の上から投げかけられる。昼の光に煌めく花びらは、まるで幻の雪のよう。
私はその列を食い入るように見つめる。トランペットが破裂する音が、遠くに響く。
列の中に、あの人はいない。
戦士達の顔、顔、顔の中に、あの人の顔だけがない。
私はそれでも見つめ続ける。
笑顔で迎え入れる市民達の顔の中で、きっと私の顔だけが、暗い穴のようになっているだろう。
私はそれでも見つめ続ける。
それでも。無駄だとわかっていても……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます