カクコン9応募作、公開しました

カクコンが始まってもう十日もすぎ。応募作はなんと長編だけで8000作……

すごく盛り上がっています。


わたしも、遅ればせながら昨晩まだ三万字ちょっとしか書けてない新作を公開いたしました。

「さよなら光源氏~小説家のおじさんと京都(府)でスローライフ」


もともと二万字だった短編を長編に改稿しています。

内容は、タイトルそのまま。ママに捨てられた薫という女子高生が、京都府で純文学作家の金髪碧眼の光源氏みたいに超モテるおじさんと、スローライフをおくるというもの。


今回、飯モノに挑戦です。昨今のキャラ文芸の流行りをみていると、飯モノがきている。ということで、女子高生がつくる節約飯の描写をがんばりました。

第一話冒頭で、お弁当の描写をしつこいほど出しましたけど、あれでいいのかどうなのか。


とにかく飯モノで肝心なことは、いかにおいしく料理を描写するか。できてるかどうかわかりませんけど、自分なりにがんばってみました。


京都の小ネタもちょいちょい入れてます。京都府に住んだ気分を味わっていただきたいです。


そして登場人物の名前は、源氏物語にちなんだ名前をつけています。内容もちょっとかする程度のパロディーを入れています。


で、今回の執筆にともない源氏物語を読み直しているのですが……

というか、大和和紀先生の「あさきゆめみし」なんですけどね(笑)


高校生の時、「はいからさんが通る」などの大和和紀作品が大好きだったので、その流れで読みだしたのですが、まったくよさがわからなかった、その当時のわたし。


平安時代物も大好きなんだけど、少女漫画脳であったわたしにはあの源氏のキャラが理解できず……

どうしてこんな多情な男がいい男なんだよーーー! と思ってました。


しかし、古典のお勉強になるので、全巻そろえて捨てずにもっていた。そして大人になって、現代語訳の小説もちらほら読んでいるうちのその魅力がわかるように。


で、今回「あさきゆめみし」読み返したら、めっちゃおもしろくて!!

なにこの複雑な人間関係。流行りの韓ドラなみに、ドロドロしてるしおもしろいよーー。


そうか源氏は、人生経験つんだある程度恋愛をしてこないとそのよさが、わからないのか! と膝を打ったのでした。


で、副読本的にNHKオンデマンドで100分de名著の源氏物語の回なんか見ていると、紫式部の当時の状況なんかもわかって、多面的に源氏物語が楽しめるように。


源氏のあらすじは、みなさん大体わかってますよね。帝の皇子に生まれた光る君が、母親の身分が低く臣籍降下。で、幼い時になくなった母親の面影をおいつつ華麗な恋愛遍歴を重ねていく、というもの。


平安当時、紙は超貴重品だったので、紙が手に入ったら続きを書くという連載形式をとっていたそうです。

そして、紙を存分に提供してくれるパトロン(藤原道長)が現れ、ノリノリで執筆した巻が、「若菜」なんですが、その内容は、源氏が40代という晩年。いまでいったら初老。


どんどん衰えていく源氏を書く紫式部の筆がさえわたっている。

ヒーロー源氏の落ち目をノリノリで書いていた紫式部。すげー人です。自分で築き上げてきたヒーローを木っ端みじんにするんですから。


仏教的に言うと因果応報の憂き目に、源氏があう。自分の父帝のお妃(母に激似)に横恋慕して妊娠させ、挙句の果てにその子供を帝につけるというとんでもないことした源氏が、晩年、若い男におんなじことされるの(笑)


正妻に迎えた皇女に間男されて、子供ができる。源氏はその子が自分の子じゃないってわかってるんだけど、妻を寝とられたなんてプライドが許さないから自分の子として育てる。で、その不義の子(薫)を抱いて、ひょっとして自分の父帝も同じことを思ってたんじゃないかって、思い至るんですね!


いやーすごい、人間ドラマです。

現代の倫理観はあまり通用しないのですが、人間の感情は今と全然変わらない。つまり、人間って千年前からおんなじことしてるんですね。


年をとるって、容姿のおとろえばかりが目に着き、我々は年取るの嫌だなーと思うのですが、源氏物語のよさがわかるような年の取り方ができるのなら、悪くない。


まあ、源氏物語のようなふかーい話ではなく、ごくごくあっさりとした家族がテーマのお話です。


「さよなら光源氏~小説家のおじさんと京都(府)でスローライフ」

https://kakuyomu.jp/works/16817330667785178428


よろしくお願いいたします!






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