未知との遭遇
まさか、何も聞かされていないとは思わなかった。
ニアール大統領は、実は意外と大雑把な人間なのかも知れない。
「えっと……な、名前だけなら、知ってますよ……!た、多分……」
アサミとマルコヴナは、最後の「多分」というワードで、一気に不安になってしまう。
「んー、まぁ、取り敢えず、今から出発するから、準備して?」
まぁ、無理もない。
今どき、
そんな事を自分たちから知りたがっている
ただ、
「わ、分かりました!あ、あ、アサミ
「せせせ、先輩っ!?」
ラァラの大胆なアサミの呼び名に、思わずアサミが言葉につっかかりを覚えてしまった。
ラァラがほっぺたをプクリと膨らませているのを見る限り、どうやら変更の考えは無いそうだ。(というより可愛い)
アサミが困惑の渦に包まれる中、マルコヴナは、耳元でそっと「アサミ先輩」なんて言ってきた。
「━━ッ!マルコさんッ!!」
アサミは顔を真っ赤にしながら、マルコヴナに説教を始めた。
結局、ラァラは意味もわかっていないまま、宇宙へと放り出されてしまった。
三人は、ジャイアントパンダの情報の出どころである場所へと向かっていた。
マルコヴナも着いてきているが、
しかし、着いていきたいと
アサミとしては、そんなラァラよりもラァラの乗るその
どこかで見たことある形の
<アポロン>からの刺客、そのリボウルとか言う小隊長が乗っていた
多分、別の
気になって、思わず聞いてみた。
「ねぇ、ラァラ。その機体の名前は、なんて言うの?」
すると、スノウラビットのコックピットの中に、ラァラの声が反響して返ってきた。
「あっ、こ、これは、『クワイエットビー』っていうらしいです。英語の、
((可愛いッ!))
(可愛すぎない?)
(そのダジャレ、どんな顔で言ってんの!?)
マルコヴナがダジャレでは無いという思考回路に至ることは無かった。
確かに、その名前なら、その背中に背負っている
しかし、ラァラに
アサミとしては、不安が募っている。
そして、そんなラァラを守るためにも、自分がしっかりしなくては、と強く思う。
勿論、戦うことすらままならないマルコヴナも、守るために。
気づいたときには、アサミに過度な責任感が募っていた。
(私がしっかりしなくちゃ……みんなが死んじゃう……)
そんな不安と責任感を感じ取ったのか、スノウラビットの背中を自動追尾するマルコヴナは、アサミに問いかけた。
「アサミ・イナバさん、大丈夫ですか?」
「ん!?あぁ、大丈夫。なんでもない。ちょっと考え事〜。あはは……」
(その反応は大丈夫じゃないやつだろ……)
そんな事を考えていると、マルコヴナのレーダーに、
”ピピピピピピ”
「ッ!二人共、前方2km先に
「パンダの反応ね!?」
アサミはマルコヴナの言葉を遮ってまで確認した。
しかし━━
「ここら辺、ちっさい石ころがたくさんあるわね……」
目の前に映ったのは、小さな石のたまり場だ。
そして、その奥に白い影が通り過ぎていく感覚を感じた。
「待って!今━━居た……!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます