世界が揺らぐまで
「本日、私がこの場に現れ、こうして会見をしているのは他でもありません」
画面の中も外も沈黙が広がった。
わずか数秒の間に、画面の前にいる人々は思わず息を呑んでしまった。
「|昨日(さくじつ)、我々の重要機密である
『真実』という言葉に、画面の前の人々は動揺を隠せなかった。
ニュースやネットだけでなく、アンダーネット(裏情報。政府で管理しきれていないネットサーバー)での
「ではまず、昨日(さくじつ)何があったのかの説明をさせていただきましょう」
「ついに始まったな」
画面の前にどっしりと構えて座るニアールはそう言葉を漏らした。
近くで茶を用意していた秘書の一人である男がその言葉に反応した。
「何がですか?」
「ピーターの会見だよ。今日、この男の手によって全国民に全ての真実が知れ渡る。━━いや、すべての国、だろうな」
どこにどの国のスパイがいるかわからない。
ましてや、公共の大画面モニターで会見をしようというのだ。
他の国に情報が漏れないわけがないだろう。
(まぁ、その覚悟の上での会見なんだがな)
「まず、戦闘してきた
画面前のざわつきがおおきくなった。
それは、全員の頭の中に、
「そして、<アポロン>は、我々に敵対の意思を見せています。ですが、安心してください。我々には、
画面前の誰もが、先程までの考えが現実的になったことを悟った。
そして、受け入れる準備ができた人とできていない人の差が既にでき始めていた。
「我々は、我が国は、決して<アポロン>なんかに屈しない!今こそ、この国の創造された意味を受け止め、立ち上がるときです!我々は<アポロン>に対し、宇宙平和条約を、無効にする!」
画面の前の誰かが、叫んだ。
「よく言った!ピーターァ!戦争だァァ!」
それに呼応するように、次々と画面の前で雄叫びを上げるものが増えた。
「そうだ!戦争になったら、<アポロン>なんかに屈することはない!」
「あぁ!何より、俺らの国には最強の
”ワァァァァァァァァァァ”
それは雄叫びから次第に歓声へと変わっていき、この瞬間、<イカロス>の半数以上の国民が団結した瞬間であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます