第3話 【残酷描写有り】 隕石

 あの後も僕たちはしばらく雑談をしていた。

すると、いきなり部屋が少し暗くなった。

僕たちは不思議に思い窓を見てみると窓のすぐ外に巨大な隕石があった。

「がしゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃん」

大きな音とともにガラスが割れ、空気が外に出る関係で僕たちは外に放り出されてしまった。

僕はぎりぎり手が届きそうなところにいる絵美さんに向かって手を差し伸べると、絵美さんは僕に向かって手を伸ばして僕と手を繋いでくれた。

「私、怖いよ~」

「一回落ち着こう」

 僕もパニックになっていたが、絵美さんを落ち着かせようと思って僕は落ち着かせるよう説得した。

 僕は泳いで戻ろうとしたが、うまくホテルの方に移動することができない。

「幸平君、泳いでもホテルのほうにはいけないよ」

僕はその瞬間とても悲しくなった。このまま二人で宇宙の果てまで行ってしまうのかと。

「でも大丈夫!一つ助かる方法があるよ」

「どんな方法」

「私がホテルのほうまで押してあげればいいんだよ」

僕はこの方法がいいと思ったが、この方法では絵美さんが宇宙の果てまで行ってしまうことに気が付いた。

「だめだよ!それじゃあ絵美さんが助からないじゃん」

僕がそういうと、絵美さんは優しく微笑んだ。

「幸平君が助かるならそれでいい」

僕は絵美さんの言葉を聞いて涙がたくさん出てきてしまった。

「それじゃあ最後にハグさせて」

絵美さんは「いいよ」と答えて僕に抱きついた。

「こんな僕でごめんね」

「これから素敵な人になってね」

「うん」

「今まで楽しかったよ」

「こちらこそたくさん迷惑かけてごめんね」

「いいよ」

僕たちは抱きつくのをやめて、再度手をつないだ。

「それじゃあいくよ」

絵美さんは僕を力いっぱいにホテルの方向に押した。

その瞬間僕はホテルの方向にゆっくり動いていった。

「絵美さん、ありがとう!」

僕は反対側に動いている絵美さんに叫んだ。

すると、絵美さんは僕に手を振ってくれた。

僕はその姿を一生忘れないと心に誓った。

 僕のほうはゆっくりとホテルのほうに近づいていった。

 ホテルの付近には救助員が僕を待っていた。

 そして僕は無事にホテルまで戻ることができた。

ホテルの中では脱出の準備が始まっていた。

僕も脱出用のロケットに乗った。

隣の座席には誰も座っていなかった。

僕はなるべくほかの人の迷惑にならないように1人で泣いた。僕の心の中は無事に帰れるという喜びと最愛の絵美さんと別れてしまった悲しみでいっぱいになっていた。

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