第27話 夢の家政夫

「これやっといて」

「わかりました!」

タカシ君の元気な声と、女の人の声が聞こえてきました。

声のする場所には、とあるお家がありました。

その家の中で、エプロンを着たタカシ君が洗濯物を畳んでいます。

そうです。

今日のタカシ君は家政婦ならぬ、家政夫です。

ですが、畳んでると言っても、ぐしゃぐしゃにされた服の山は、タカシ君が触る前の方が綺麗だと、誰が見ても言うような有様。

そしてそれを見ずに、新たな仕事を頼む女の人。

このままじゃ、女の人に怒られてしまいますよ?

タカシ君はどうするのでしょう。

「終わりましたぁ!」

なんと、ぐしゃぐしゃにしたまま終わったと報告しています。

このままではタカシ君が怒られて…

「あら、ありがとうねぇ」 

…女の人はどうやら、洗濯物のシワに気づいていないようです。

そして、タカシ君はというと…

「僕は次の仕事に行きますね!」

逃げました。

次の仕事といいつつも、家から出れるわけではないので、怒られるのを先延ばしにしただけのようです。

この後叱られたのは、言うまでもないですね。

ドンマイ、タカシ君。

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