第83話 商会と、焦りと、メール

「いらっしゃい、いらっしゃい。ラウニー商会、大売り出しだよ」


 商会は順調に回っている。

 ただ従業員は、毎日顔を見せていたラウニーがいないのを、ちょっと不思議がっている。


 ラウニーはホログラフィの仮面を着けて、俺の秘書のフロラとして活動している。


「あー、平和だな」

「今頃、ヘーゼルはどういうことかと、首をかしげているでしょうね」


 お茶を淹れながら、ラウニーがそう言った。


「殺し屋が帰って来て成功の報告を上げているはずだ。本当に死んだか裏を取っているところだろうな」

「地下室の死体を見て信じるしかないでしょうね」

「たぶん奴は、こう考えるはずだ。元々ラッカーがラウニーを殺す計画だったと、手間を省いてしまったと。『ラッカーは危険な男だ殺さないといけない』と考えるはずだ」


「でしょうね」

「とりあえず、いったん釣り針を垂らしたら、むやみに動かさない事だ。新製品を作るぞ。この行為がヘーゼルを焦らせる」

「じゃあ、とびっきりのを考えないと」


 決定打になるようなアプリか。

 これ一つあればラウニー商会が100年ぐらい食っていける。

 そういうアプリだな。


 他所が真似できない。

 しかも需要があって、高い使用料も苦ではない。

 そんなアプリが望ましいな。


 メールが良いな。

 神秘魔法名の秘密は洩れていない。

 これを使ったメールサービスだ。


 機能としては通信先の登録だな。

 そしてメール送信。

 この二つがあれば、とりあえずは商品として成り立つ。


 使用料を安く設定するとヘーゼルが焦らない。

 かと言って高く設定すると流行らない。

 最初は安くして、徐々に上げていく、または下げていく。

 バージョンアップするたびに改訂すれば良いな。

 とりあえずは1回、銅貨3枚だな。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


extern void mystery_magic_name_record(char *str);

extern void record_sort(void);

void mystery_magic_name_get2(char *str)

{

 FILE *fp; /*ファイルポインタ ファイルを読み込む時の情報が入る*/


 system("dir > temp"); /*情報をtempに送る*/

 fp=fopen("temp","r"); /*tempファイルを開く*/

 fgets(str,200,fp); /*神秘魔法名を読み込み 最初の1行は魔道具を使った本人の名前*/

 if(fgets(str,200,fp)== NULL){

  str[0]='\0';

 }

 fclose(fp); /*ファイルを閉じる*/

 system("del temp"); /*仮データを消す*/

}

void main(void)

{

 char mm_name[200]; /*名前を入れておくバッファ*/

 mystery_magic_name_get2(mm_name); /*近くにいる人の神秘魔法名をゲット*/

 if(mm_name[0]!='\0'){

  mystery_magic_name_record(mm_name); /*神秘魔法名を登録*/

  record_sort(); /*記録した名簿を昇順に並び替え*/

 }

}


 登録はこれで良いな。

 もっと詳しくプログラムを書けるけどこんな物で良いだろう。


 あと作る機能は、登録名の一覧表示と削除。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


extern void record_display(void);

extern void record_select(char *str);

extern void record_delete(char *str);

void main(int argc,char *argv[])


{

 char mm_name[200]; /*名前を入れておくバッファ*/


 record_display(); /*一覧を表示*/

 record_select(mm_name); /*選択*/

 record_delete(mm_name); /*削除*/

}

 こんなかな。

 それとメール機能だ。


#include <stdio.h>

#include <stdlib.h>


extern void record_display(void);

extern void record_select(char *str);

extern int tax_collection(int money);

void main(int argc,char *argv[])


{

 char mm_name[200]; /*名前を入れておくバッファ*/

 FILE *fp; /*伝言魔法の定義*/


 if(tax_collection(3)==1){ /*税金徴収、銅貨3枚 金が無ければ、何も起こらない*/

  record_display(); /*一覧を表示*/

  record_select(mm_name); /*メール先の神秘魔法名をゲット*/

  fp=fopen(mm_name,"w"); /*回線を開く相手を指定*/

  fprintf(fp,"%s\n",argv[1]); /*メッセージを送る*/

  fclose(fp);

 }

}


 構造は、神秘魔法名記録の魔石と、相手先の登録機能の魔石と、削除と、伝言だ。

 今はちょっと不便かも知れないので、そこはバージョンアップだろう。

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