第4話 第3法則と、落ちる銅貨と、報酬
エクレアの所に行った。
そこしか行く所がなかったのだ。
「今、ちょうど仕事が終わったところよ」
「この魔道具を試してほしい。水が8リットル出る」
「なら、井戸に行きましょ」
井戸端で魔道具を試す。
エクレアが魔道具を試すと、俺の前に銅貨が現れ地面に落ちて、チャリンと音を立てた。
エクレアの前には水が現れ落ちた。
成功だな。
魔道具を使うエクレアは召喚魔法の
俺じゃないからな。
俺のイメージで魔道具は動くが、使っているのはエクレアだ。
例えると俺の作ったアプリをエクレアが自分のパソコンで動かした。
俺のパソコンは壊れアプリは実行できないが、エクレアのは関係ないというわけだな。
あっ、税金の話をするのを忘れた。
待てよ、第3法則はどうなった。
第3法則は魔力の反発だ。
他人の魔力は反発する。
ただし、許可した場合は別だ。
この法則がないと、勝手に他人の物を召喚出来てしまう。
でもそういう事にはならない。
物を手に取ると、魔力が染み込む。
その物はその人の物と見なされるのだ。
家の中なんかだと、家にその人の魔力が染み込んで、結界の様な感じになるらしい。
そして肉体もだ。
肉体の中には魔力が通らない。
攻撃魔法が肉体に損傷を与えるのはこうだ。
例えば火球なんかだと、召喚された燃料から発生した温度と炎は魔力が関係ない。
そういう事だ。
召喚された物体も魔力は関係ない。
石なんかだと石を投げられてぶつけられたのと一緒だ。
体に通らないのは加速する為の念動力のような力。
これは魔力なので体に通らない。
俺が攻撃魔法を使うなら念動力しかない。
石を用意して、ぶつけるとかだ。
話がそれた。
エクレアに確認しよう。
「俺の魔法を拒否すると念じて使ってみてくれ」
「良いわよ」
やっぱり、結果は前と一緒だ。
第3法則が突破されている。
手引書を読むと他人の魔力を操れた人間がいたらしい。
法則は絶対ではないみたいだな。
どうやら経験が魔法に影響を与えるらしい。
徴税は腐るほどやったからな。
あんな仕事でもコツコツやると
今世の親父が良く言っていた。
真面目にコツコツとやれば、
本当だな。
俺は泣いていた。
「ちょっと、どうしたの?」
心配そうなエクレアの声。
「懐かしいのと、10年間、貯まってたツケが少し払われただけだ」
「そう」
「その魔道具はやるよ。井戸から水を汲むのは大変だろう。使うと良い。一回使う毎に銅貨1枚減るけどな。ギブアンドテイクだ」
「あなたらしいのね。魔道具ありがとう。大切に使うわ」
魔法について読むと、普通の平民の魔力は100で、工夫無しだと10魔力で20ミリリットルの水しか出せない。
工夫しまっくっても1魔力で20ミリリットルが限界だ。
ところがプログラム呪文では0.0000001魔力で同じだけの水が出せる。
どんだけ少なくていいのかよって事だ。
エクレアに上げた魔道具はとっても使える。
一回の使用に銅貨1枚要るとしてもだ。
同じ量の水を出そうとすれば、普通の人は工夫しても400魔力必要だ。
この魔道具を使わないわけがない。
銅貨1枚分のギブアンドテイクはある。
冒険者ギルドに行く。
魔石を仕入れる為だ。
冒険者ギルドは24時間やっている。
モンスター災害に対応する為だ。
ギルドは酒場と業務の部屋が分かれている。
素材買取は門の近くに買取所がある。
俺はカウンターに近寄った。
「最下級の魔石を金貨1枚分買いたい」
最下級の魔石の値段は銅貨5枚ほど。
銅貨100枚で銀貨1枚。
銀貨100枚で金貨1枚なので、金貨1枚で最下級の魔石は2000個買える計算だ。
「何にご使用になられるのですか?」
「魔道具だ」
「種火の魔道具でも作られるのですか?」
「そこは企業秘密で話せない」
「こんな事を聞いたのは、最下級の魔石の使い道が知りたかったのです。在庫がだぶついてまして、問題になっているのです」
「これからは俺が大量購入予定だから多少減るだろう」
「話す気になられましたら、いつでもどうぞ。情報料を支払っても構いません」
「その気になったらな」
最下級の魔石だと魔力量は10ほど。
さっきの水8リットル生成の魔道具だと20万回使える事になる。
平民の10分の1の魔力でだ。
こんなの流行らない訳がない。
よし、今夜は夜なべするぞ。
魔道具を量産するんだ。
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