領主


でかくね?

前に見た蛇がでかくなったのかな。

やばい結構近い。


俺は後ずさった。


白蛇は俺に向かってきた。

俺は逃げるため全力で走り、森へ入ってしまった。


「やばいやばい、うわ追ってきてるよ!


このままじゃ追いつかれる!

確か直角ににげればいんだっけ?



なんで蛇なのにカクカク動けんだよ!


どうにかしないと、、

スキル!!

『フラグ』!『フラグ』!『フラグ』!『フラグ』!『フラグ』!『フラグ』!何か起これー!


うわっ」

逃げ切るため木と木の間をジクザク走行し、最後の望みをかけスキル使っていた俺は何かに引っかかり転んだ。


「やばい!」

急いで白蛇がいるであろう方向を見るとその姿は消えていた。


「助かったのか?」

警戒しながら周りを見渡し、急いで立ち上がる。


「あー怖かったーでけーよ!

ふぅー。




ここどこだ?」

安心して周りを見て、言わずにはいられなかった。

逃げるのに夢中で帰り道も現在の位置もわからない、なぜなら森に入ったことがなかったから。 


「どうしよう、、」

「幼きものよ」

右上から聞こえたので見てみると。

金色の髪をし、金色の目をしたワンピースみたいな白いランジェリーを着た女性がいた。


「其方には我が愛し子が世話になっている。

森で迷子になっているのであろう。

この光について行くといい、無事に帰れる。

さらばだ」

そう言って俺の目の前に光の玉を渡し消えていった。


「どういうこと?あっ動いた。

これについてけばいいのかな?」

光る玉は俺を先導する様に動いた。




「おお!森から出られた!

ありがとう光の玉!ありがとうエッチな格好をした人!」

森から出ると光の玉は消えた。


ちょっと怖いからとった分だけ持って帰ろう。事情を話せばなんとかなるはず。 


信じているもらえなかった。

そもそも白い蛇なんて存在してないらしい、アルビノとかあるはずなんだけどなー。





薬草を全部取らなかった罰として、朝食の食器を洗っている。実に不服だ。


母さんは縫い物をしていると玄関を叩く音が聞こえたので、母さんは対応するため玄関に向かった。



「久しぶりだな、シシリア嬢」

「嬢だなんて、もうそう呼ばれる立場にないわ。それで領主様が我が家へなんのようかしら?」

「こんな見すぼらしくなって、可哀想だな。

トムという少年はいるかい?」

「うちの子になんのようかしら?」

玄関から聞こえてきた。

はぁ?母さんが見すぼらしい?可哀想?


「勘違いしないでほしい、ライト殿のことで話があってな。

国の方針だ。わかってくれ」

「国ね、、わかったわ。でも危害を加えたりしたら私も夫も何をするかわからないわよ」

「もちろんだ。君の旦那さんを敵に回すほど私は馬鹿ではない。

とりあえず村長の家に来てもらいたい。

内容が内密なのでな。

では待ってるぞ」

玄関のドアが閉まる音が聞こえた。


「トム、話は聞こえていたわね。

綺麗な服に着替えて村長の家に行ってちょうだい」

「それはいいけど、母さん領主様と知り合いなんだね」

「昔ちょっとね、早く着替えてきなさい」

誤魔化されたけど、とりあえずライトの案件なので素早く着替え村長の家に向かった。





「メイちゃん集会ぶりじゃん!なんで家の玄関の前に座ってんの?」

「こっちが聞きたいです!ライトくんが家にいるのに、、」

「あーなるほどね」

「なんか知っているのですか?」

メイちゃんは俺に詰め寄った。


「悪いな、これは簡単に話せる内容じゃないんだ。

すまん」

「はぁー会長がそういうならそうなんでしょうね。

ライトくん大丈夫ですよね?」

「当たり前だろ!ライトだぞ!」

「そうですよね、ライトくんですからね!」

不安がるメイちゃんを励ますことに成功した。


「メイちゃん俺領主様に呼ばれてるらしいんだよね。入ってもいいかな」

「いいですけど、なんでトムくんが呼ばれるんですか?

ああ、ライトくんの件ですね。

玄関開けると使用人が来ますのでその案内に従って下さい」

「了解」

そう言って玄関を開け、使用人に領主がいる部屋まで連れて行ってもらった。

流石にファンクラブの集会の時のように勝手できないからね。

ちなみにこの使用人は、ファンクラブNo:12のキララちゃんでした。


「村長、トムさんを連れてきました」

ドアとんとんと叩きキララちゃんが部屋に向かって言った。



「そうか、トムくん入りなさい」

では、といい何故が俺を睨みつけるキララちゃんを見送り部屋に入る。


部屋には村長とライト家族、偉そうな男と部下っぽいのが2人いた。


「トムくん急に呼び出してすまないね、ここに座ってくれ」

村長にそう言われたので、偉そうな男の目の前に座った。


「君がトムか?」

さっき聞いた声のおじさんに聞かれた。


「、、そうです。領主様」

「ほう何故私が領主だと知っている」

「母上との会話をお聞きしました。

その際に聞いた声と一致したからであります」

「ふむ、ライト殿に聞いた通りなかなか聡い子であるな。

うむ、君が言った通りこの辺の領地を管轄する領主。


ゲーベルト・バルンセルである」

領主だと分かり跪いずき頭を下げる俺に偉そうなおじさんは偉そうに告げた。


「この度君を呼んだのはライト殿の職業を知っていると聞いたからだ。

まずこの玉を持ちなさい」

青い玉を領主の部下っぽい人から渡されたので両手で挟むように持ち正座をした。


「トムよ、君はライト殿の職業を知っているのか?」

「はい知っています」

「それを誰かに伝えたか?」

「いえ、誰にも伝えてません」

「ライト殿を利用しようと考えはあるか?」

「ありません!!」

「ライト殿は有名になり、周りにいる者に恩恵を与える、そこに君がいることを望むか?」

「、、望みません」

「恐らくライトは貴族になるそれも高位の。

本当に恩恵を望まないのか?」

「、、、、、、望みません」

「今回に限り何を言っても罰さないとしよう。

正直に答えよ。

望むか?」


「望まねーって言ってんだろが!

ライトはダチなんだよ!

権力とか金とか欲しかったら自分でなんとかするわ!

領主だかなんだか知らんがな!

喧嘩売ってんのか!!」

よくわかない青い玉を放り投げ、クソ領主の胸ぐらを掴みながら叫んだ。


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