第7話 王宮とお風呂と美女戦士

 僕はオリビアと馬車に揺られ、王宮に向かってる。




 今までのダンジョンでの話をしたところ、ゴーレムを退治したことに報奨金がでるようだ。




 オリビアの話によると1か月前から地震が続いていたようだ。




 つまり僕がゴーレムに遭遇してから1か月経っている。




 (1か月間レベルアップし続けたのか。そりゃ強くなるはずだ。)










 オリビアは18歳の若さで王国の調査団の副団長ということだ。




 赤い長い髪の凛々しい美人。




 長い剣を腰に携えている。




 調査団の副団長、剣の腕は相当なものなのだろう。












 「それにしても君がゴーレムを倒したのか。信じられないな」




 「ははは、たまたま運が良くて」




 (とりあえず【石化の首飾り】のおかげてレベル100になっていることは黙っておいた方がよさようだな……)




 【鑑定】を使えるものは多くはない。黙っていれば僕のレベルはバレないだろう。






 「何か隠していないか?」




 オリビアが顔を近づけ僕をのぞきこむ。




 「いえ! なにも……」




 目の前にオリビアの谷間が飛び込んでくる。




 (なぜ王国の鎧なのにこんなに胸が飛び出しているんだ!? おかしいだろ!? 防具の役割を知らないのか? それともこの国の防具デザイナーは変態なのか!?)






 「そうか……」


 間違いなく僕を怪しんでいる。そりゃそうだろう。僕みたいな弱そうな子供がゴーレムを倒したなんておかしいに決まっている。




 (はやく報奨金をもらっていったん村へ帰ろう。しばらくがゴタゴタに巻き込まれたくないな)






 レベル100になっても内気な性格は変わらないペルーサだった。






 「それにしても……ペルーサはずっと私の体ばかり見てくるな? 何か気になるのか?」






 「……いえ、なにも……」






 (この人は天然なのか!?!?)






 ◇










 王宮についた。




 田舎の小さな村から出たことのないペルーサには想像していなかった立派な王宮だ。




 「すごい、これが王宮……」




 「君がゴーレムを倒した知ったなら国王も喜ぶだろう。長年、この地域では地震が頻発していて国民は不安でしかたなかったからな」




 「えっ? これから国王に会うんですか!?」




 「もちろんだ! 君はゴーレムを倒した英雄だからな」






 (えぇ? 僕が国王に? 報奨金だけサクッと貰えるのかと思ってた……)




 「あのー……オリビアさん、、僕、急用を思い出しまして……」




 「なに馬鹿なことを言っているんだ! 行くぞ!」






 オリビアに引きずられ僕は王宮に入っていく。






 ◇






 「すまないが国王は別の用事があるようで1時間ほど待っていてほしい」




 「はぁ、それくらいは全然」






 「それとそんなボロボロな恰好で国王に会うのは失礼だろう。一度シャワーでも浴びて清潔な衣服を用意させる」




 「ありがとうございます」




 (たしかにもう泥か血か分からないような汚れのついた服を1か月以上着ている……臭かったかな!?)




 「この部屋が私の部屋だ。シャワーも好きに使ってくれ」




 「えっ!? オリビアさんの部屋ですか?」




 「ん? すまない、私の部屋じゃ不服だったか?」




 「いえ。そうじゃなくて!!」




 (いいのか? 僕、女性の部屋に入るは初めてだぞ!?) 






 ◇






 「おじゃまします……」




 緊張しながら部屋に入る。




 部屋中に剣や鎧、トレーニング用品だろうか? ボロボロのサンドバッグのようなもの。




 女性の部屋に入るは初めてのペルーサだが、この部屋は一般的な女性の部屋とは程遠いいものなのだろうだと感じていた。




 (なんか女の子の部屋とはイメージ違うけど、オリビアさんの部屋のイメージとしてピッタリだな……)








 「散らかっているが楽にしてくれ。風呂は奥の部屋だ。」




 「は、はい。お借りします」






 ◇






 『シャーーーー』




 久しぶりのシャワーだ。




 体中の汚れを落としてくれる。






 (この1か月、大変だったな……そして、これからどうするかな……)






 ダラダラを生きてきたペルーサ。急に強くなったとはいえ、自分の力をどう使えばいいのか分からずにいた。






 (とりあえず、村に帰ろう。それから考え…)




 その時、




 『ガチャ!!』




 いきなり風呂場のドアが開く。




 「えっ??!!!!!!!」








 「スマン! ペルーサ! 服サイズ聞いてなかった!」




 何事もないようにオリビアが話しかけてくる。






 「エ、М!! Мサイズです!!」




 僕は急いでドアを閉める。






 「ノックくらいしてくださいよ!!」




 「すまんすまん!」




 風呂の外から全く悪びれていない謝罪をされた。








 「ったく……あの人は……」




 僕は動揺しながらシャワーを浴び続ける。






 その時、、、、




 『ガチャ!!』




 また風呂場のドアが開く。






 (今度はなんだ!?!?)








 「スマン! ペルーサ! シャンプー置いてなかったな!」






 僕にシャンプーを渡し、そそくさと去っていく。




 (僕が気にしすぎなのか!? これが普通なのか?)




 まともに女性と接してこなかったペルーサは困惑していた。








 シャワーを終え、湯船につかる。




 「ふぅ~~生き返るなぁ……」




 これから国王に会うのか……何事もなく終わればいいが……




 緊張と不安を感じていたペルーサ。








 その時、、、、、、




 『ガチャ!!』




 またまた風呂場のドアが開く。






 「もう!! いい加減にしてくださいよ! 今度はなんですか!?…………!!!!!!!」








 「スマン! ペルーサ! 国王が思ったより早く用事が終わりそうでな! 私も早くシャワーを浴びないといかなくなった」




 全く恥ずかしげもないように湯煙のなか、そこには裸のオリビアが立っていた。

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