第39回「2000文字以内でお題に挑戦!」企画

頼まれた夕日

私たちは文化祭でクラス劇をすることになった。

自分は照明係。

ライトのスライダを操作し、舞台の色を変えていく。

ご飯に例えると、ふりかけみたいなもの。

ふりかけがないご飯はほとんど味がしない。

それに味を加えるのがふりかけ、そう、照明だ。


「何妄想してんの?ほら、もうすぐ本番だよ?」

「あっ...」

慌てて自分の係の集まりに参加する。

「...で、ここのところで夕日のライトね」

1人が舞台袖で薄暗い中、懐中電灯で照らしながら言う。

「音楽が入ったタイミングで段々とフェードインさせていく」

もう1人がペンで丸をつけて言う。

「そうそう。そんな感じ」

自分はそう言ってスイッチを操作する真似をする。


『もうすぐ3年生の劇、「共生」が始まります。三年生は準備をしてください。』


アナウンスの直後、係は散り散りになってそれぞれの持ち場分電盤に向かった。



そして自分の番。

たったスイッチひとつを切り替えるだけだが、これが失敗すると全てが失敗に終わる。

スイッチを操作する指に全神経を集中させ、その時を待つ。

そして...



ぴったりのタイミングでライトを点灯。

結果は大成功だった。

この夕日の演出、それは台本係から頼まれた夕日だった。




―あとがき―

想像力が...足りない...

これはそのまますぎる...

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