第9話
今年、夢は30歳になる。
そんな誕生日を長瀬が お祝いして
くれると言い出した。
[私、ケーキ作りましょうか?]
[チビ!お前又、変な物入れるから
いい、買って来る。]
[そうですか?]
[今日はチビ!お前は何もするな!]
[はい、分かりました。]
夜2人で誕生日パーティー
[チビ!おめでとう!]
と長瀬がプレゼントをくれた。
[開けてもいいですか?]
[いいよ!]
[え~っ!]
中身は料理本だった。
[もう少し勉強しろ!]
[はい、ところで長瀬さん私、もう
30歳です。長瀬さんのペットになって
8年です。何時までペットで居るん
ですか?]
[嫌か?]
[いえ、快適で楽しいんですけど
恋愛も結婚もしないままペットで
居るのは…]
[そうだよな?チビ!じゃ、ちびは
自分で生活して行くか?]
[……それも何か寂しいですね。
長瀬さんのチビ、ボケ、モタ子に
慣らされてしまってるんで!]
[よし、じゃあチビ!お前今日
誕生日だしペットから彼女に
昇格だ、これで、どうだ?]
[私が長瀬さんの彼女に?でも
呼び方は、チビでしょう?]
[不満か?]
[出来たら夢が、いいですね!]
[よし、分かった。呼び方も
昇格だ!夢?これで、いいか?]
[はい!]
こうして晴れて夢は長瀬の彼女に
なった。
夢は相変わらすだが料理本を見ながら
一生懸命に頑張っていた。
もちろん仕事も頑張っていた。
[ゆ~めちゃん!]
[あっ!雄大さん大賀さん!]
[夢ちゃん光輝の彼女に、なったん
だって?]
[はい!やっとペット卒業です!
名前もチビから夢になりました!]
[よく頑張ったな~]
[本当、あんなにボロボロに
言われて。]
[ハハハハ、結構、居心地が良くて
飼い慣らされてしまいました。]
[ハハハハ、でもこれからは彼女
なんだから将来の花嫁目指して
頑張って!]
[応援してるよ!]
[ありがとうございます!]
(花嫁、キャ~)
1人喜んでいる夢の所に今度は
後輩の女子社員達がやって来た。
[松田さん、長瀬さんの彼女って
本当ですか?]
[まぁ~]
[長瀬さんに似合いませんよ!
身を引いたら、どうですか!]
[そんな事言われても!]
海人と竜一が通る。
[お前達、何してるんだ?]
[いや、ちょっと松田さんに
聞きたい事が有って!]
[どうせ長瀬の事だろう?]
[言いたい事が有るなら長瀬に
言え!]
[夢ちゃんに言うな!分かったな!]
去って行く女子社員達。
[ありがとうございます。助かり
ました。]
[夢ちゃん前にも、こんな事が
有ったよね?]
[はい、長瀬さんモテるんで
大変です!]
[分かるよ!夢ちゃん、でも
負けるなよ!]
[俺達が、着いてるから!]
[ありがとうございます!]
海人と竜一は一応は長瀬に知らせて
おいた。
[夢、大丈夫か?]
長瀬がやって来た。
[うん、海人さんと竜一さんが
助けてくれた!]
[ごめん、俺のせいで!]
[長瀬さんが悪い訳じゃ無いよ
ただ、モテるから、みんな私に
やきもち、妬いてるんだよ!
大丈夫だから!]
[うん、何か有ったら言えよ!
ボケ!]
(こんな時迄。ボケか~でも夢って
呼んでくれたから、いいか!)
家で一緒に過ごす時間が長くなって
来た。
前は、ご飯が終わると自分の部屋で
過ごしていたが今は一緒に過ごして
いる。
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