上司で性の目覚めをしてもいいですか？

第1話 夫との性生活

ーーセックスレスならまだマシだ。

夫との夜は苦痛でしかない。

大学時代に知り合って３年、結婚して２年。子なし共働きをしている私たち。

家事は仲良く半分ずつ、夜にお風呂も一緒に入り、一緒のベッドで寝る。仲良し夫婦だ。

しかし、夜だけは別だ。

風呂を終えた後、彼は濡れた髪のまま、クイーンサイズのベッドに腰掛けてスマートフォンをいじっている。

少し遅れて、ドライヤーを終えた私が寝室に入る。

「電気消すよ？」

「おやすみ」

暗闇の中、ふたり並ぶと、彼が私の手を掴む。

「しよ？」

そうして掴んだ手を、自分の股間に誘う。

はじまりの合図はいつもこれだ。

仰向けで大の字になっている彼の股間を喰わえ、大きくするまで１分。

程よい大きさまで膨らんだら、私は手際良く彼に避妊具をかぶせ、濡れてもいない股間をローションで人工的に濡らす。

今度は彼が上になり、果てるまでが３分。摩擦運動をされているとき、「早く終わって」と祈っている。

暗い天井を冷静な気持ちで眺めると、視界のはしに動物のように腰を降っている夫が映るので、合わせて声をあげる。

彼が満足いくまで腰を振り、互いの股間をティッシュで拭き取り、眠りにつく。

これが、私たちの夜の生活だ。

私も彼も上半身は着衣をしたまま。まるで下半身しか意味を持たないと言われているようだ。

この儀式は、彼の気分が乗ったときだけ行われる。

私は嫌で嫌で仕方がない。