第2話 親友との再会

ある日俺は昼ごはんを買うべくコンビニに行った。収入がないので生活保護のお金を使っているために1ヶ月で中々贅沢は出来ない。俺はおにぎり2つと唐揚げ棒をひとつ買った。帰り道に歩いて帰っていると中学校時代からの友達の豊島 蓮から連絡がきた。蓮も人生をめちゃくちゃにされたうちの1人だ。あと数少ない親友でもある。俺は携帯を手に取り電話にでた。


蓮『最近元気してるか』

あさひ『あ〜、いつも通りだけど』

蓮『お前、まだあの日のこと根に持ってんのか。ま、仕方ないよな』

あさひ『当たり前だろ。人生めっちゃくちゃにされたんだぞ。お前も分かるだろ。しかも犯人がいまだにわからないんだ』

蓮『犯人か、確かにわかってないな。もう一度やり直せたらと何度思ったことか』

あさひ『俺もだよ。本当に戻れたらいいのに』

蓮『戻れるわけがないだろ。あれからサッカーもしてないな』

あさひ『お前あれだけサッカーが好きって言ってたのにな』

蓮『お前もだろ。でも仕方ないさ。彰が亡くなったんだから』

あさひ『....』


彰とは寺澤 彰のことである。俺は昔、あさひ、蓮、彰の3人でよくサッカーをして遊んでいた。もう1人の親友と言うやつだ。しかし2年生の1学期に亡くなってしまった。しかし原因も犯人も遺体すら見つかっていない。


蓮『もう切るわ。元気そうで良かった』

あさひ『お前もな』


そういい電話を切った。歩くこと10分程で家に着いた。しかしその場所にあった景色は


街の人『火事だ!119に通報しろ!放火だ!』

あさひ『嘘だ..ろ』


15分後には火は収まったが元の家の形はなかった。火事になりあさひは家がなくなってしまったのでホテルに数日泊まることにした。ある日アパートの家主が1000万円の請求をしてきた。明らかに違法な気がしたがそれを考える元気すらもない。家賃ですらギリギリのあさひに払えるお金があるはずもないのだ。


あさひ『死のうかな』


半ば人生に絶望していたあさひは潮時ではないかと感じ、ホテルの屋上へと向かった。


あさひ『生まれ変わったら、せめてもう少し良い人生を送りたいな』


そう言うと飛び降りた。目を閉じていたので地面までどの程度かわからない。


あさひ『妙に長いな』


目を開けてみるとそこは7年前の入学式に戻っていた

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