ある兄弟たちの話
「悟もさ、奏太が好きでちょっかい掛けんだよ」
仲直りを終えて遊ぶ互いの弟を見守りながら呟く。隣で閑佳が笑った。
「衛の経験則?」
「おう」
「まあ、あの子達は友情だろうけどね」
かつて意地悪しか出来なかった手で、閑佳の綺麗な指先を包む。恋だと気づけなかった昔を思い、今度は二人で笑った。
【お題:経験則】
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