「ねぇ、モデルになって」


 美術室に響くのは、僕が動かす鉛筆の音だけだった。目の前に座り、僕をジッと見る神田さん。その力強い表情を丁寧に描く。

 不意に、彼女が立ち上がった。

「モデルありがと藤野。お陰でスケッチしてる人の描写が出来そう」

 描きかけの絵と僕を残し、神田さんは軽やかに文芸部へと戻っていった。




【お題:モデル】

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