怪異の温もり


 ひゅるり、からから。風が吹く、骨が鳴る。

「まだそこにいる?」

“──ああ居るさ。お前の傍に”

 少女は安堵し暗闇へ笑いかけた。

「約束よ。あなたはいなくならないで」

“──もちろんさ。お前の為に”

 ひゅるり、からから。少女にしか聴こえない音が、視えない何かが、小さな心に寄り添っていた。




【お題:からから】

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