青と春色の絵
初鳥 火苗
第1話 スケッチブック
俺は……どうしてここに来た?
明かりもつけられていない暗い部屋。
そして、いまは誰もいない静かな部屋。
何かがわかると思って来たのか、それとも何かを取りに来たのか……わからない。
ただ、このどうしようもない衝動に身を任せたら、いつの間にかここにいた。
こんな事をしている場合じゃない。
一刻も早く『戻る』べきだ。
少しでも近くにいるべきなんだ。
そう頭でわかっている。
でも、ここに来た。
ここで、あるモノを見つけるために。
俺は棚に置いてあった彼女の『スケッチブック』に手を伸ばす。
そして震える手を何とか押さえ込み、ページを巡った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます