第4話 male

 通信が、徐々に遠のいてきた。

 そろそろらしい。

 白いノイズ。雪みたいだった。

 彼女のことばかり、考える。

 雪が降ってきて、彼女は唐突に靴の交換を持ち掛けてきた。断ったけど、勝手にサンダルを脱いで素足になってたから、仕方なく。

 ぎちぎちの冬物靴下の上にサンダルの若い男と、素足に革スニーカーの大人の女。


「大人の女か」


 たしかに、初めて逢ったときから、そう思っていた。身長もある。背筋も通っている。

 そのくせ、冬に穴空きサンダル。

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