また会えたら

春嵐

第1話 female

 また、会えたら。

 彼に、なんて言おうか。

 何も思い浮かばなかった。

 何もない。彼がいなくなってから。わたしのなかには、何も、なくなってしまった。


 着飾って、街を歩く。それが、必要だから。街にとって。人にとって。

 でも。

 自分にとって、それは。必要のないことで。

 彼がいなくなった後の、わたしには。

 何もかも、どうでもよかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る