10 戦闘の成果

 スライムをシバいている最中。


 チャチャーン。


 僕の頭上に「LvUp」という表示がエフェクト付きで浮かんで消える。


「あ、レベルアップだおめでとう」


「やった、ありがとう」


 なんだかレベルが上がると、途端にうれしくなってくる。


 さらに戦闘を続けると、今度はスライムの核ではないアイテムが落ちていた。


「なんか違うドロップアがあるよ」


 見てみると『革の靴Lv5』だった。

 なるほど、こうして武器や防具もドロップするんだ。


「おめでとう。レアアイテムだわ。最初のレアドロップは出やすいから、本当のレアではないけど、装備できるからしちゃいましょ」


「うん、やった。うれしい」


 なんだか楽しくなりスライムを倒して回った。

 最終的に、いろいろなアイテムがドロップした。


 それからレベルが5になりました。

 倒したスライムの数は100匹以上くらいかな。


 ドロップは、スライムの核、沢山。

 スライムの耳飾り。

 革の帽子Lv5。

 スライム帽子。

 革の靴Lv5、2つ。これは二人で装備した。

 グリーンスライムのカード。

 スライムクッション。家具アイテム。


「カードは?」

「カードはね、なんだろうね?」

「え?」

「いやあ、集めるとトランプになるって言われてるんだけど、用途がよくわからないのよね」

「そうなの?」

「うん」

「へえ、そういうのもあるんだ」


 用途不明。グリーンスライムのカード。

 ただの蒐集しゅうしゅう要素という可能性もある。

 でも、何らかの用途があるのか、これから追加されるのか。隠し要素なのか。


 謎は謎で、ちょっと面白いかもしれない。


「あ、ねえ、あそこ」

「うん、いっぱい生えてるね」


 そこには地面に這っているスズメウリの群生だった。


「いっぱい、取ろう!」

「おう」


 二人でしゃがんで、一生懸命に取って回る。

 1個、2個、3個……数えきれない。

 ひとつの草に、沢山なっていて、草もいっぱい生えている。


 二人で数えたら、84個あった。


「大量だね、ぐふふ」

「そうだね。うふふ」


 二人で笑いあう。

 なんとなく大金持ちになった気分だ。

 1つ100Gだと8,400Gだ。

 比較的短時間で、花束8個分になる。ぐふふ。あはははは。

 笑いが止まりませんな。もっと欲しい。


「よし、休憩。ここを休憩所とする!」

「はーい」


 そばで休憩になった。

 ここはゲーム的採取ポイントらしくて、スライムが湧いてこないようになっているみたいだった。

 だからたぶん安全だ。


 露店ゴザを敷いてその上でハンバーガーをむしゃむしゃ食べた。


「えへへ、スズメウリも1つ食べよっか」

「うん」


「おいしいぃ」

「おいしいわ」


 デザートもおいしかったです。

 初期装備に含まれていた水筒からお水を飲んで、おしまい。


「ごちそうさまでした」

「はい。ごちそうさまでした」


「えっと、スライムの耳飾りと、スライム帽子はワイちゃんが装備するといいわ」

「いいの?」

「うん、セット効果があるからちょっとお得なの」

「なるほど」

「私は革の帽子もらうね。クッションも預かっておくわ」

「う、うん」


 スライム帽子と耳飾りを付けた。

 グリーンのアイテムはちょっとエルフの妖精帽子みたいで、おしゃれな感じもする。


 帽子は防御5。耳飾りは防御2。2つ装備でセット効果防御3。併せて防御10増えることになった。


 かっちかちやで。


 耳飾りはイヤリングだね。

 スライム帽子の目と口が特に可愛い。


 それに対してリズちゃんはどうなんだろう。

 魔女服に革の帽子だ。

 あんまり防御力はなさそう。


 でもリズちゃんは動きがさすがに慣れがあるみたいで、スライムぐらいだと全然ダメージを食らわなかった。

 僕はたまにスライムのアタックを食らったけど、なんとか大丈夫だった。





 アスター町よ、僕は帰ってきた。

 死に戻りではない。ちゃんと生きて歩いてきたよ。


「では、ちょっと生産っぽいことしよっか」

「うん」


 リズちゃんに言われて、僕は賛成する。


「スライムの核あるよね」

「たくさんある。53個」

「『合成』と唱えてください」

「う、うん。『合成』」


 目の前にホログラム画面が浮かび上がってくる。


「リストに『初級強化剤』って表示が出てると思います」

「うん。それしか表示されてない」

「でしょう。ではそれを選んでください」

「はい」

「材料が『スライムの核x10』なのを確認して『合成』ボタンをぽちっとしてください」

「う、うん」


 ぽちっとな。おー。バーが表示されて、ぎゅーんと伸びて100%、完成になった。

 スライムの核が減っていて、初級強化剤が入手できた。


「強化剤はできましたか?」

「はい」

「では次です。アイテムボックスから強化剤を選んで『強化』を選ぶと強化画面になります」

「な、なったよ」


「革の鎧を選択すると、+8確率100%という表示を確認して、強化を実行です」

「はい。あっ、できた。+8になった! やったっ」

「そうです。そうです。核はあと43個だから4回強化できるんだけど」

「するする」

「ちょっと待ってね。強化は+15までできるよ。それでね、+10までは100%だけどそれ以上は確率が50%からだんだん減っちゃうの」

「うへえ。失敗すると?」

「強化値が1下がるのよ」

「それはつらい」

「だよね。まあだから+10までにしよう」

「うん」


 僕はもう2回強化して、革の鎧Lv1+10にした。

 防御力も+7のときより3増えた。+1で防御力も1だけ増えるみたい。


「あれ、これって帽子とか耳飾りとかも強化できるの?」

「うん」

「じゃあやってみる」


 強化剤を合成で作っておいて、強化から帽子を選択、えいっ、『スライムの帽子+2』できた!


「えへへ、なんか強くなった気がする」

「そうだね。でも、本当は強化剤にして溜め込んで、強い装備を手に入れたら使ったほうがいいんだよ」

「わかったっ。でもこのスライム帽子も気に入ったからいいんだ」

「そう、それならよかったね」

「うん」


『魅力値:50』

『総戦闘力:180』


 どうじゃ。強くなってきたぞ。えっへん。

 まだまだ強くなるんだからねっ。


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