試練のダンジョン

海星めりい

プロローグ

 ここは数多の種族が暮らす世界『ジョフューン』。


 そんな『ジョフューン』で活動する冒険者パーティの一つが鬱蒼とした森の中をかき分けながら、歩いていた。


 先頭を行くのはプレートメイルに身を包み大剣を背負った青年。

 後ろには、魔術帽マジックハットを被った少女と口元を布で隠した少年が青年の後を追う。


 しばらく歩いた後、


「ここか? ガセかと思ったが嘘じゃなさそうだな」


「ようやくついたわね」


「まったく、なんでこんな奥地にあるんだか。ここに来られるのなんてそう多くいないだろうに……」


「ぼやくな、ぼやくな。それにここにあるんだろう?」


「選別でもしているってのか? というか本当に俺も行くのか? 頭を使う仕事は得意じゃないんだがな……」



「「知ってる(わよ)」」



「揃って言わなくてもいいだろうに……」



 そんなやりとりをしつつ、


 人間の戦士――アステラム

 エルフの魔術師――フィーリア

 獣人の斥候――ジェンド


 の三人は眼前に佇む不気味な屋敷へと足を踏み入れるのだった。


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