Day 6.筆
指がなぞり顔料をこすり壁に線が引かれやがて意味を持ち忘れられる。
竹が刻み粘土を削り線が彫られてやがて意味を持ち忘れられる。
石が石を刻み線は掘られて意味を持ち、やがて石は土に埋もれて眠りにつく。
割れた鳥の羽先は虫こぶの汁を吸い、羊の革に線が引かれて意味を持つ。
鼠の毛は束ねられ、煤は練られて墨となり、木竹に線が引かれて意味を持つ。
黒鉛は丸く紙に削れ線が引かれて意味を持つ。
宝石のかけらは樹脂に練られて布の上に線をひき
眠りについた石が掘り起こされ、忘れさられた線たちが再び息を吹き返す。
私の指がなぞりあなたの背中に線が引かれ、私だけが意味を知る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます