文披31題のうちの10題

帆多 丁

Day 1. 黄昏

 待ち合わせは19時、僕はいそいそと大門駅の改札を出て地上へ向かう。東京タワーの背後に太陽は沈み、陸橋の上で君は影絵になって、僕はいたずらを思いつく。

 恋人同士がよくやる、というよりも、恋人同士でもなければやらないだろう遊び。

 こっそり階段を昇り、彼女に忍び寄って、後ろからその両目を隠す。


「だ~れだ?」

「よしあき」

「嘘でしょ違うよ誰そいつ元彼?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る