四宿の屁

「うむ、なかなか良かったぞ。望み通り座布団を取らせよう」

【座布団3枚獲得!総座布団数99】

「それでは幸運を祈る。たまにはお参りに来いよ」

 天神はお社の中に去って行った。

「あれ、ちょっと待ってよ天神様。これじゃ座布団99枚にしかならないわ」

 キセガワは呼びかけたが、それきり天神は出て来ない。

「んも〜、必要な枚数くれるんじゃなかったの?」

 嘆いていてもしょうがないため、二人は遂にエードに入った。

「へえ〜、ここがエードかあ。大都会だな〜。米屋に酒屋に魚屋に、何でもありやがる」

「日本の江戸時代と一緒よ。みんな現代の東京にあったでしょ」

 ひとまず茶店に入って一服しようという二人。そこで懐かしい人物が待っていた。

「あ、あんたは」

「エンチョ師匠!」

 なんと与太郎を旅に出した張本人、師匠のエンチョであった。

「ほっほっほ、驚いたかね。久しぶりじゃのう」

「エンチョ師匠、どうしてここにおられるのですか?」

「ふふふ、ちいとばかし心配になってな。私の力が必要じゃないかと、先回りしておったのじゃ」

 エンチョは一通り二人を労った後で、エードについて説明してくれた。

「お前達はDと戦う前に、まずは四宿に行かねばならぬ。四宿とは、Dが己を守るために作った結界。イタバ、セジュ、シージク、シナガの四つの要塞じゃ。そこを守っているのが、Dの手下の妖喜利四天王じゃ」

「妖喜利四天王?何だそれは」

「四人の妖喜利名人じゃ。イタバにはサンペ、セジュにはサイガー、シージクにはコエンリュウ、そしてシナガを守るのが、ベンダマンじゃ」

「やっと六将軍を倒したと思ったら、まだそんな奴らがいるのか」

「四天王を一人ずつ撃破して、全ての結界を破れば、Dへの道が開かれる。そしてDがいる所が、ヨシラワと呼ばれる場所。一度足を踏み入れれば生きて帰って来ることはない、この世の苦界じゃ」

「ヨシラワ…。楽しそうな、いや恐ろしそうな所だな」

「それより師匠。私達、座布団を99枚まで集めたんですけど、後一枚が足りないんです」

「ほっほっほ、そんなこともあろうかと思って、私が一枚用意して来た」

「お、流石じーさん、ありがてえ」

 座布団を貰おうとした与太郎であったが、そうは問屋が卸さなかった。

「どれ、一つこの私がお前さんの腕を確かめてやろう。どれだけ成長したかな」

 エンチョとの妖喜利バトルが始まった!


【妖喜利バトル】

 キセガワよ。遂にエードに上陸!待っていたのが師匠だったとはね。腕を確かめるですって?与太郎、あんたの修行の成果を見せておやんなさい!良かったら、みんなもコメント欄を使って楽しんでみてね。

(お題)

 四天王の四にちなんで、四段落ちを作ってください。何の四段落ちかを言った後に、四つ続けてください。

(与太郎の回答)

「いい政治家の条件です。汚職しない、実行力がある、税金を安くしてくれる、入院しようとして病院に断られる」

 …庶民は門前払いなのにねえ。


※四宿の屁…古典落語の演目。四宿とは、板橋、千住、内藤新宿、品川。

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